惨劇の惑星


ローリー著


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見知らぬ惑星へ巨大女性族の食糧として移送される。

愛する母なる星“地球”がキセノンによる侵攻により滅び、
地球の住民が惑星クイラムに向けて家畜の如く扱われ運び出されてから約1年。

私を含め、同じ運命にある何百万の人々は、何カ月間も巨大な宇宙船に乗せられ、輸送されてきた。

我々を待っているのは、誰もが断れるものなら断りたいと願っているランチデートなのだ。

私たちは全員、キセノンの囚われの民だ。

彼らは、女性の主人であるクイル族の食糧を調達するために、
あらゆる惑星を略奪している機械仕掛けの鬼どもだ。

女族クイルは、見かけは人間だがその体格は我々の千倍も巨大で、
その食糧は生身の肉だという。

宇宙船からは人間の積み荷の荷下ろしが行われており、私はもう数カ月間、この地獄の穴から引き出される順番を待っている。

この船に積まれている人間の数は、5000万人はいるだろう。

人間の荷下ろしには、クイル人が監督にあたっており、私たちを年齢、性別で分けている。

彼らにとっては、車ぐらいの大きさでしかない宇宙船も、我々囚人たちにとっては一国の国土程の大きさがある。

一度に4機の宇宙船から人間の積み下ろしが行われ、それぞれの宇宙船の荷下ろしを、女性が一人ずつ監督している。

小麦色の肌をした若い金髪娘で、体つきはまるでスポーツ選手のように整っている。

黒く体系にフィットした一続きのボディースーツ姿を、薄いなめらかな黒革手袋と厚底仕様の黒いロングブーツで仕上げ、冷酷な侮蔑を浮かべて私たちの荷を降ろしをしている。

荷下ろしされる最悪の時間帯は休憩時間だ。

若く美しい娘が、積み出し口のスロープから一掴みほどの人間を選んで、
菓子のように貪り食うからだ。

私は、彼らの革手袋の握り拳からこぼれ落ちた人々が、
虫けらのようにブーツの底で踏み潰されるのを見たことがある。

こぼれたおやつを拾う事など奴らにとっては時間の無駄だからだ。

なかには一口でできるだけ沢山頬張ろうとする女性もいて、
選り取りみどりの20人程の人間が、
ある娘の若々しい血みどろの口内へと消え去るのを目の当たりにした。

彼女は、生きた人間の犠牲者をクチャクチャ噛み砕きながら、
仲間の女性と気軽におしゃべりし、仕事をしていた。

そのうえ、船から搬出されて降りてくる囚人の中から時々もう何人か選んで摘み出し、その地獄絵図そのものである口の中に少しでも隙間が発生すると、
柔らかな赤い唇の間に滑り込ませるのだった。

歳をとった男女は選り分けられ、即座に廃棄処分されるのだ。

彼らは船から姿を現すや否や選り分けられ、巨大な女性族の冷酷な革手袋の指で摘み出された後は、頭と首を一捻りで処理される。

だらりとした彼らの身体は、待ち受けているバケツの中に見向きもせず投げ込まれるのだ。更にバケツの中身は、幸運にも処刑を免れた者がいないかもう一度調べられ、 もし生存者がいたのであれば、
容赦なくその場で再処刑されてしまうのだった。

年配者達の処理バケツは別の行き先へ移送され、口紅やペットフードなどにリサイクルされるのだ。


クイルの女性は、祈る彼らを生きたままで喰らう。

だから君達は、荷降ろしされればその日のうちに加工されて、すぐに店頭に並べられるだろう。

私はもう死のスロープを下る、

だから、これが臨時無線を聞いている君達への最後のメッセージだ。


もう休憩時間になる、


あああーーーー…


< 終わり >






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