《 地獄の恐怖 》


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 男がいた。生前は悪事ばかり働いていたが、やがて死んで目が覚めるとそこは地獄だった。
絶望に打ちひしがれていると、悪魔がやって来た。

悪魔 : 「おまえ、なんでそんな暗い顔してるんだ?」
男 : 「暗い顔も何も、ここは地獄なんだろ、絶望するに決まってる」

悪魔 : 「心配するな、最近の地獄は進歩していてな、ここに来た罪人達の願望をかなえてくれるんだ」
男 : 「願望・・・・・・?」

悪魔 : 「ところで、おまえは腹がへってないか?」
男 : 「地獄じゃ、ちゃんと食事ができるのか?」

悪魔 : 「心配するな、ここじゃ世界中の料理が食べ放題だ」

 悪魔は男を巨大なテーブルの上に連れて行った。
そこには巨人が食べるのではないかと思うほど大量の食事が用意されていた。



 信じられないご馳走に、男は歓声をあげる。
何か違和感があったが、男は悪魔に手伝ってもらい巨大な食材を切り分け、たらふく食べる。

悪魔 : 「味はどうだい?」
男 : 「うまい、こんなに美味しい食事ははじめてだ!」

悪魔 : 「それはよかった、ところで酒は飲めるのか?」
男 : 「あぁ、酒は大好きだ」

悪魔 : 「ここでは酒も好きなだけ飲んでいいんだ」
男 : 「そりゃすごい」

 悪魔は男を巨大なビールのグラスの前に連れて行く。
男はここでも違和感を感じたものの、悪魔に手伝ってもらい酒をしこたま飲む。

 男はいつの間にか、服を脱ぎ、ビールのグラスの中を漂っていた。




 あぁ、酒が全身にしみわたる。 頭がぼっとする。

 酒だ、酒! 酒さえあればこの世は天国。

 こんな事は今まで経験したことがない。 いつまでもこうしていたい。




 やがて悪魔の声が頭に響く。

悪魔 : 「どうだい、地獄の感想は」
男 : 「なんて素晴らしいんだ! 地獄がこんないい所だなんて知らなかった」

悪魔 : 「そいつはよかった、ところで女は好きか?」
男 : 「当然だ。 生前の俺は50人もの女をいかせてやったんだぜ」

悪魔 : 「どんな女が好みだ」
男 : 「そうだな、俺は背の高い大柄な女が好きだ」

悪魔 : 「そいつはよかった。ところでおまえは巨大女は好きか?」
男 : 「ここでそんな趣味の話をできるとは思えなかった。ネットでGTSサイトはいつも見ていたよ」

悪魔 : 「ほぉ、どんなGTS趣味が好きなんだ?」
男 : 「喰いだな、男が巨大な女の口でゆっくり噛み砕かれて喰われる。そういうファンタジーが好きだ」

悪魔 : 「そいつはよかった。ここにも巨大女がいてな、おまえの50倍の大きさだ。
     おまえが彼女達の食事と酒をさんざん食い散らしたので
     かんかんに怒っている。 願い通り、おまえをゆっくりと噛み砕いて喰ってくれるよ。

     そして地獄じゃファンタジーなんてケチくさいことは言わない。その苦痛は地上の100倍以上だ。
     何、心配することはない。地獄じゃ、胃の中で溶かされてもすぐに元に戻る。
     そうやって500年も巨大女の口で玩具にされ噛み砕いてもらえるんだ、わははは、地獄に来てよかったな」








 (終わり)





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