《 蜘蛛の糸 》
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俺の名前は 神田太郎(カンダタろう)
バブルで大儲けした俺は 億万長者だ。
貯金は なんと30億円もある
それで俺は考えた
世界で一番 大切なものは何か?
そう 俺の命だ
そう考えた俺は 俺の屋敷の地下に個人用シェルターを作った
自然災害や兵器による攻撃などから身を守るための場所 避難壕(ごう)
核攻撃にも耐えられる新型だ
1人だけなら2年間暮らせる食料と水も備蓄した
高性能の酸素供給機もある
娯楽施設も個人用シェルターの中に作った
これで核戦争が起こっても 俺だけは安全だ
それから7年の月日が流れた
突然 街に 巨大娘が現れた
テレビでその姿を見た俺は 一瞬で理解した
ヤバイ あの女は間違いなく 破壊系の巨大娘だ!!
すぐに俺の住む町も踏み潰される
突然の巨大娘の出現で 町は大混乱
はは はっはは
だが 大丈夫だ
俺にはこの個人用シェルターがある
まさかこれを本当に使う日が来ると思わなかった
さぁ 今から俺は個人用シェルターに入ろう
どんな危険な時でも 金持ちだけは生き残る それが真実
おや 何だ?
人々が大勢 押しかけてきた
「我々もシェルターに入れてくれ!」 と言っている
何という事だ こいつらは俺がシェルターを持っているのを知っていたのか
ダメだ ダメ これは俺一人のものだから
お前たちは何処かへ行ってしまえ
俺だけが助かったら それでいいのだ
大勢の群衆が無理に俺の地下シェルターに入ろうとして
その扉を破壊してしまう
俺だけのシェルターが使用不能になったのは
それから3分後のことだった
俺の名前は 神田太郎(カンダタろう)
どうやら今回も俺は助からないようだ
<蜘蛛の糸> 終わり