《 お願い! 妖精王 》 その5

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 男がいた。

 彼は恋人がほしかった。
しかし、臆病なので、女の人に声をかけることができなかった。

 いつも寝ている女性を遠くから見つめ、手を伸ばすだけだった。



 美しい女性と恋をしたい!
でも声をかける勇気などない。

 できれば女の人の方から、自分に積極的にせまってほしい!

 男はいつもそう思っていた。

 その時、男は伝説を思い出した。

『何でも願いをかなえてくれる妖精王が異世界にいる。』

 男はその伝説を信じることにした。

「妖精王様、美人の女が俺に惚れるようにしてください!」

 その夜、男はそう願いながら、眠りについた。

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 そして、ここは夢の中・・・。

 男は異世界バイストン・ウェルルを旅していた。
銀の気球船に乗り、夜の川を渡り、炎の山を越えた。



 長い旅路の果て、男は妖精王に出会い願いを言った。

男 : 「妖精王様、私は恋をしたいのです」

妖精王 : 「・・・? 恋など、したかったらすればよかろう」



男 : 「でも、自分から女性に声をかける勇気がありません」

妖精王 : 「・・・・・・そうなのか」

男 : 「女の人の方から、私にせまってほしいのです」

妖精王 : 「・・・・・・」

男 : 「できれば、美人で、驚くほどグラマーな女がいいです」

妖精王 : 「汝の願い、聞きとどけた」



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 妖精王は、男にグラマーな、そして驚くほど
巨大な女を紹介してくれた。

 彼女は男の家よりも大きかった。

 巨大女は男に恋をした。

 彼女は
その巨体で彼にせまってきた。



 その後、男がどうなったのか・・・知っている者は誰もいない。

 《終わり》


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