《 エレベーターの思い出 》 
その2

----------------------------------

 エレベーターガールには、美しい女性が多い

 そのビルには、とても
背の高いエレベーターガールさんがいる。



 身長は2m40cmくらいは、ありそうだ。

 そして、俺は大きな女性が好きなんだ。

 町に出れば、長身の女性を見かけることもある。
しかし、彼女ほど美人でスタイルがよい女性と出合ったことがない。

 エレベーター内の密室で、彼女と二人きりになる時がある。
俺よりもずっと大きな身体に圧倒され、ぞくぞくする。

 俺は、今日も
彼女を見上げてしまう。


「何階でしょうか?」

 彼女のような魅力的で大きな女性に微笑まれると、
営業スマイルと分かっていても、すごく嬉しい。

 (彼女は、ひょっとして俺に気があるんじゃないか・・・・)
と、俺はそんな妄想をしてしまう。

 エレベータがゆっくりと上がっていく。

 そうだな、俺は冷静に見ていい男だから、
彼女が俺に恋をしても、不思議ではない・・・そんな気がする。

 2人だけのエレベータ内での時間・・・・・・

 この狭い空間に俺と彼女だけ。 そう、ここは2人だけの世界!!

 (これは・・・恋の始まり??)

 そうだ、「身長2m40cmの彼女」は、俺のことを好きに違いない!!

 その時、彼女は振り向いて、優しい声で俺に言った。

「五階です」


 ・・・・・・。


 ・・・・・・(汗)


 ・・・・・・ (T Д T)  (T Д T)  (T Д T)


 そうですか・・・

「美しいエレベーターガールの彼女が、俺のことを好きだ!」 という俺の想像は、

 ・・・やっぱり、誤解(ごかい)なのですか。

 そして俺は、今日も現実を理解するのであった。


(終わり)


目次に行く ←戻る めくる→