《 砂使い・ジョニーの旅 》
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「砂の術」を覚えた。
心を無にして、風と一体化し、砂と舞う・・・。
「砂の術」を覚えた僕は無敵だった。
どんな強い男でも、僕の「必殺、砂かけ攻撃」には勝てない。
「砂浜最強の男」になった僕は「砂かけマスター」の称号をもらった。
そんな時だった。
「南の砂丘に巨大女性が現れた!」という噂を聞いたのは。
この時代、地球温暖化の影響で、
おっきな、おっきな女性が世界各地に出現していた。
僕は決意した。 巨人の彼女と「砂勝負」をしようと!!
え・・・「なんでそんなアホなことを考えたのだ」 と聞くのかい。
ははは、笑わないでほしいな。
まぁ、なんというか「若さゆえの過ち」というやつさ。
そして友人が止めるのも聞かず、僕は南の砂丘へと旅立った。
長い旅路の末、僕は彼女を見つけた。
あぁ、なんということだ、彼女は本当に大きくて・・・美しかった。
え・・・「それからどうなった」 と聞くのかい。
はははは。 彼女と闘わずに帰ってきたよ。
彼女の身長は3,000mもあるんだぜ。
あんな大きな女の人に勝てるわけねーよ〜。
砂かけ勝負なんかしたら、ショベルカーみたいな手で生き埋めにされるよ。
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それでも、僕の闘志は失われてはいない。
今も砂浜で、修行を続けているのさ。
「若い」っていうことは、挑戦するコトなんだ!!
そう・・・いつの日か、砂勝負で巨人の女の人に勝って、
彼女に僕を認めてもらう、その日がくるまで・・・。
(終わり)