《 食べてあげるね 》
 弱肉強食の掟

----------------------------------

 強いものが弱いものを狩る。

 それがこの世界の決まり。



 強いものが、他の多くの命を食べて生き残る。

 動物たちは、みんなそうしてるの。



 それが運命なのよ。熊も鷲もそうやって生きているの。

 敗者は何も得ることができないの。
だから、あなたも私が食べてあげるわ。

 えぇ、別にお腹は空いていないわ。ただの遊びよ。

 ちっぽけで
無力な小人が、大きな女の子のきまぐれで
食べられちゃう。 面白いと思わない?

 あらあら何やってるの? 小さな虫さん。
もがいても無駄よ、くすぐったいだけ。

 あなたの小さな体じゃ、私の唇に勝てないわ。
抵抗することも、逃げることも不可能よ。
男の力がこんなモノなんて、笑ってしまう。



 あぁん、そんなに泣かないで、私まで悲しくなるから。

 小さくて無意味な存在であるあなたが、私に食べられることで、
私の体の一部になり、永遠に生きられる。

 あなたは新しい存在に生まれ変わるの。
素晴らしいコトだと思わない?

 私の全身があなたを食べたがっている。
あなたが、どれだけ美味しいか想像して心が震えているわ。
私のお口の中は、もう唾でいっぱいになっているの。


 でも・・・あなたと遊ぶのは楽しい。
私にも慈悲の心はあるのよ。

 もう少し遊んであげるわ。もっと暴れて、私を喜ばせて・・・。
そうすれば、私はあなたを生かしておいてあげるかもしれないわ。

 あはははは、私の小人がもがいているぅー。
そうね、もっと暴れて、私を楽しませてね。



目次に行く ←戻る めくる→