《 身長2m30cmの女子高生 》

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同窓会で仲の良かった4人が30年ぶりに再会しました。

何杯か飲んだあとで、そのうちの1人が電話をかけに外に行きました。

残った3人はそれぞれ息子の自慢話を始めました。


最初の男がまず言いました。
「俺の息子は自慢の息子なんだ。
音楽学校を一番の成績で卒業し、作曲家になったんだ。
作った曲がいくつも大ヒットして、莫大な収入が入ってきた。
まだ独身だが、毎日優雅な生活さ、
親友の誕生日に歌を作ってプレゼントしたこともある」

2人目の男もそれに続きました。
「そいつはすごいな。だが俺の息子も大したヤツだぜ。
外食会社に勤め始めて、やがて独立して会社を作ったんだ。
今じゃ、和食から中華料理まで全国300店舗を持つレストランのオーナーさ。
まだ独身だが、かなりリッチになったから、親友の誕生日に
自分のレストランチェーンの無料食事券5年分をプレゼントしたんだよ」

3人目も負けじと続きました。
「すばらしいな。でも俺の息子だって
大企業で平社員から勤め始めてのし上がっていき、
新企画を成功させて株主の支持を得て、
まだ独身だが、今じゃ会社のトップに立ったのさ。
だから豪華なものを友達にプレゼントしたよ。
聞いて驚くなよ、最上階全てを使った家具付高級マンションだぜ!
しかも相手の身長にあわせて設計したという特注マンションだ」


3人ともお互いの息子の成功を祝福しあっている時に、
残りの1人が帰ってきました。
「いったい何を祝福しあっているんだい?」

するとそのうちの1人が尋ねました。
「息子の自慢話をしていたんだよ。お前の息子はどうなんだい?」

4人目は答えました。
「娘が一人いるよ、俺の結婚は遅かったから、まだ女子高生さ。
親の俺が言うのもなんだが、優しくていい娘だよ、
ただ2年ほど前から、急に身長が伸びて、
今では身長2m30cmもある」

「えぇ! 身長2m30cmの女子高生だって!」

他の3人は驚きました。
しかし、すぐに3人は現実的な質問をします。

「それじゃ・・・言いにくいけど色々とお金がかかるな、服代とか、特注だろ?」
「そうだ、そんなに大きいと食費もたいへんだろ」
「だいたい家だって、屋根が低くて住みにくいだろ」


4人目の男は言いました。

「いや、それは問題ないよ。娘にはいい友人がいるからね、
娘の誕生日に、3人の友達から豪華なプレゼントをもらったよ、

1人目は歌を作ってプレゼントしてくれた、そしたら、それが大ヒット!
レコード会社に権利を売ったら、莫大な印税が入ってきたよ。

2人目は全国300店舗を持つレストランチェーンの無料食事券5年分、
ここは和食から中華料理まで何でも美味しいから、食事は助かるよ。

3人目もすごい、なんと娘のために豪華マンションを作ってくれたよ、
屋上フロアの全部を使った、天井も高く、規格も特注のハイグレードマンションさ、
身長2m30cmの娘にあわせた家具までついている。
これで娘ものびのびと生活できるようになった。

いや、本当に友達っていうのは、有難いな」


(終わり)


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