《 釣り師・ゾルバの思い出 》
----------------------------------
よっこらしょ、と。 さぁ、わしの可愛いペリカン達よ、
今日は大きな魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるからな。
しばらくそこで、待っておれ。
しかしなー、魚が釣れるまで少し時間があるじゃろう。
退屈だから、わしの思い出話でも聞かせてやろうかい。
わしは小さいころから釣りが好きでのー。
いや、ただ好きだった訳ではない、釣りの才能もあったのだな。
釣り道具無しで大物を捕らえたコトもあるんだぞ。
いやー、あの時は天才釣り少年と、有名になったもんじゃ。
そして、ただ才能があっただけではない!
とても勇敢な釣り師でもあったのだ。
あの恐ろしい怪獣ヘモドトラの住む海で釣りをしたことがあるんじゃぞ。
いかにわしが勇敢であったかが分かるじゃろう。
まぁ、怪獣の奴は、わしが恐ろしいのか姿を現さなかったがのう。
・・・・・・。
そう言えば、あの時、釣り仲間のバートンが急にいなくなったな。
どこに行ったんじゃろうな・・・、家にも帰っていなかったし・・・。
@@@@@
しかし、なんと言っても、わしの素晴らしい冒険は、
あの巨大人魚さんと出会った時のコトじゃ。
驚くことに、彼女は身長20mもあったんじゃ!
いや、彼女の巨大ボディには、さすがのわしも度肝を抜かれたわい。
そうじゃな、わしの可愛いペリカン達よ、
魚が釣れるまで、まだ時間がありそうだから、 今日は特別に、
わしが巨大な人魚さんと出会った日の話を聞かせてやろう。
まぁ明日の夕刻までには、話が終わるじゃろうて。
これはめったに聞かせぬ話ゆえ、心して聞いてくれい。
ペリカンA 「おっちゃーん、エサ、マダー」
ペリカンB 「ハラ、ヘッター シヌゥー」
こら、お前ら、人の話を聞いとらんな。
あー待っておれ、今、魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるから。
(おわり)