《 初夢みかん 》
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夢を見ていた。
巨大な和服の女の子・・・。
社長秘書の石野由美香さんだ。
和服姿の俺は、ただ美しい彼女を見つめていた。
彼女のはだけた胸が艶かしい・・・。
巨大な由美香さんは微笑みながら、俺にみかんをむいてくれた。
そのみかんは信じられないくらい美味だった。
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夢からさめた俺は考えた。
こんな夢を見るなんて不思議な事だ。これはきっと正夢に違いない。
社長秘書の由美香さんは、きっと俺を愛しているのだ。
そうだ、俺はいい男だし仕事もできるから、彼女が俺に惚れたのだ。
うう・・・由美香さんと結婚できるなんて、何と幸せなんだ!!
由美香は「愛の告白」を、俺にするに違いない。
俺はわくわくしながら、その時を待った。
一週間たった。 会社で彼女は俺に何も言わなかった。
一ヶ月たった。 何も起こらない。
そ、そんなバカな。由美香は俺と結婚して、
俺のためにみかんをむいてくれるのではないのか??
仕方がないから俺は、今日も、家の白猫さんといっしょに、みかんを食べている。
(初夢みかん 終わり)