《 無言くらべ 》
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ある山にお寺がありました。
寺には3人のお坊さんが住んでいました。
ある日、お坊さん達は「無言くらべ」をすることになりました。
「無言くらべ」とは(何かを言ったら負け)という勝負事です。
単純な遊びですが、かなり集中力がいるのです。
3人とも夜になるまで喋らないという決まりで勝負をすることになりました。
しばらく時間がたちました。お坊さん達は何か言いたくなりましたが、
勝負に負けたくなかったので、黙っていました。
その時!
ご・ご・ご・ごおおおおん!
山の方ですさまじい轟音がしました。大地が震撼しています。
3人のお坊さんが驚いて寺の外に出てみると、
巨大巫女さんが山に出現していました。
坊さんの1人が驚いて叫びました。
「うわぁ!巨大な巫女さんだぁ!!」
2人目の坊さんが言いました。
「いかに巨大巫女さんが出現しても、無言くらべ中は喋ったらいかんぞ」
それを聞いた3人目が誇らしげに言いました。
「黙っているのは私だけだな、・・・あぁ!しまった」
こうして、全員が夜になる前に喋ってしまったので、
「無言くらべ」の勝負は3人とも負けになりました。
(終わり)