《 きつねの兄弟物語 》 最終話
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雪原をとぼとぼと歩く影が一つありました。 そう、あの兄きつねです。
なんとかライオンから逃げ、また狩りを続行したものの、獲物はいませんでした。
そして、とうとう、こんな雪原にまで来てしまったのです。
(兄きつね)
あぁ、ここは何処なんだろ、雪が積もってる。ずい分遠くまで来たんだな。
弟がお腹を空かして待っているんだ、何とか獲物を狩って帰らないと。
あれは・・・湖だ、うわぁ!美味しそうな鴨がいるぞ!
なんて、ラッキーなんだ。 弟がきっと喜ぶぞ!
ふふ、鴨よ、お前には何の恨みもないが、
俺たち狐兄弟は生きていかねばならないのだ!
我が牙の餌食となれ!!
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兄きつねは岸辺にいる鴨を見つけ、飛びかかりました。
しかし、運の悪いことに、その鴨はすごく強かったのです。
鴨 : 「くわー、悪い狐、許さんかも! コロスかもーー」
兄きつね : 「うわー、鴨さん強い、ちょっとギブ、ギブ」
兄きつねは鴨にボコボコにされましたが、何とか生きて弟の所に帰りました。
気落ちする兄を、弟は優しく迎えます。
兄 : 「うぅ、情けないよ、ライオンはともかく、鴨にやられた・・・」
弟 : 「元気だしてよ、兄ちゃん」
兄 : 「・・・すまん、弟よ、今日も獲物はとれなかった」
弟 : 「気にしないで、ボクは兄ちゃんが無事に帰ってきてくれただけで嬉しいよ」
兄 : 「優しいコトを言ってくれるなぁ、お前は、やっぱり俺の弟だ」
弟 : 「さぁ、それじゃ、お腹空いたから、コレを食べようね、ガブッ」
兄 : 「うぎゃー、だから、俺の尻尾を喰うなぁーー!!」
(終わり)
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