どうぅぅんん!!
しばらく遊んだ梨実子は、俺の車を地面の上に降ろした。

「わわわわっ!」 俺は車の外に転がり出た。
すぐ目の前に、梨実子の巨大な足がある。

「ねっ、すごいでしょう。 私って!!」 梨実子は楽しそうに笑った。

「り、梨実子っ!! やめるんだ、こんなことしちゃダメだ!」
俺は、巨大な娘を見上げながら叫んだ。

だが梨実子は、俺の話など全然聞いていなかった。
「ただ強くなっただけじゃないのよ。 父さん。
今の私は念じるだけで、いくらでも大きくなれるのよ。」


「な、なんだとぉ!」 俺は焦る。
梨実子は今でも巨大なのに、これ以上大きくなったら、どうすることもできない。

「ふふふ、見て、父さん。 もっと、もっと大きくなってあげるから。」
そう言うと、梨実子の体がぐんぐん大きくなり出した。

「うわわーーー!!」 俺は悲鳴を上げて走り出した。
梨実子が巨大化するにつれ、彼女の足が壁のようにそそり立ち、俺の方に迫ってきたのだ。
もうすでに、俺は梨実子から見て、蟻のサイズだった。

「これは夢だ! 絶対に夢だ。」 俺は叫んだ。
だが紛れもなくこれは、現実だった。

数百m走った俺は、ものすごい振動のため、道路に転がった。
梨実子が、ほんの少し足を動かしたらしい。
仰向けに倒れた俺は、とんでもないものを見た。

巨大な胸が天空を覆っている!!
梨実子は前かがみになって、楽しそうに俺を見つめていた。

今の梨実子は、身長数kmはあるに違いない。

「い、いかん!!」 俺は焦った。
もし今、梨実子が体を前に倒せば、その直径1kmもありそうな胸のふくらみに
俺は一瞬で捻り潰されてしまうだろう。

「り、梨実子ーー!! やめてくれー! 俺は、父さんだよぉ!!」 恐怖のあまり俺は絶叫する。

「心配しないで、父さんだけは特別扱いしてあげるわ。」
天空に梨実子の声が響いた。

すぐに梨実子の巨大な手が俺の方に降りてきた。
「ひ〜。」 俺は恐怖に引きつった。



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