《 胸の谷間に 》 (その2)
CG画像 June Jukes
----------------------------------
「あらあら、恭一様、どうなさったのです?」
彼を摘みあげている方の女性が言う。
巨大な彼女は指をとめ、彼をじっと見つめる。 吸い込まれそうな青い瞳、鮮やかなライトブルーの髪は印象的で一目見たら忘れられない。 それにしてもとんでもない大きさだ。彼女の顔だけで、彼の視界はいっぱいになる。
「私達が怖いのですか」
恐ろしい! それしか言いようがない。 恭一は彼女の小指のサイズもないのだ。 力の波動を感じる、彼女がその気になれば恭一をぶどうの実のように捻り潰せる。
だが言葉が通じるようだ。 「恭一様」と丁寧な言葉使い。 彼女は彼の名前を知っていた。
しかし、巨大な彼女の行動はその優しい言い方とは正反対に、小さな恭一を指で摘んで宙吊りにするという、彼への尊敬のかけらもない扱いで、その目は明らかに虫けらを見る冷たい視線だった。
「ふふ、女の子みたいな声あげちゃって、情けないわね〜」
もう一人の黒い髪の巨人が言う。 彼女の方も最初から、恭一を完全に玩具扱いしているのが見てとれた。
|