巨大美少女ミカ (23)
(不運な泥棒 改題)
NEW2さん みどうれい作
第二部 不運な船員さん達(その8)
----------------------------------
両腕と右足で体を支え・・・、左足を上げる。
両腕と左足で体を支え、右足を上げる・・・。
両足と右腕で体を支え・・・、左腕を上げる。
両足と左腕で体を支え、右腕を上げる・・・。 ほんの少しずつしか登れない。
体中の筋肉が、ぎしぎし痛んだ。
譲治は、荒い息をしながら、崖を登っていた。
彼は、巨人ミカの戯れにより、岩山の中腹に置き去りにされた。
そこは、人の力では、とても降りられない絶壁だったが、彼女が、崖の上の方を
えぐっていったので、彼は、そこを足場に崖を登っているのだった。
「はあ、はあ、ぜい、ぜい。」
女巨人が帰ってくるまでに、崖を登りきらないといけない。 譲治は、必死だった。
巨人ミカが、崖をのこぎりの刃のように、えぐってくれていたのなら、
譲治は、そこの段に体重をかけ、はしごを上がるように、簡単に登ることができただろう。
しかし、ミカは、上下に真っ直ぐ(垂直に)、指で岩をえぐっただけだ。
したがって、譲治は両手両足で踏ん張って、自力で体重をささえながら、登らなければならない。
この状況で、登るのは、ものすごく疲れた。
時間もかかる。 おまけに、すこしでも腕の力を緩めたら、崖下に転げ落ちる。
命がけのロッククライミングだ。
「ちくしょう・・・。」 譲治はぼやいた。
明らかに、あの女巨人は、譲治をヒドイめにあわせて、遊んでいるのだろう。
これは、彼女の言っていた「念入りのお仕置き」なのだろうか?
譲治は「巨人のバカヤロー!」と叫ぼうと思ったが・・・、命が惜しいので、やめにした。
あの恐ろしい女巨人は、洞窟に隠れる譲治を、簡単に見つけだしたのだ。
彼女には、視力以外の優れた感覚器官が、あるのだろう。
もしかしたら、巨大な彼女は、とても耳がよく聞こえるのかもしれない。
うかつに巨人の悪口を言ったら、怒った彼女が、何処かから、すっ飛んで帰って来て、
譲治のことを、ボコボコにするかもしれなかった。
そうなったら、間違いなく、彼の命はないだろう。 彼は、まだ死にたくなかった。
譲治は、女巨人の罵詈雑言を叫びたかったが、ぐっとこらえた。
しかし、状況は、さっきより、かなり好転していた。
この崖は、背伸びをした巨人の手が届くくらいの高さだった。
努力のかいあって、譲治は、もう彼女の顔くらいの位置にまで来ていた。
最初、彼は巨人のお腹のあたりの高さに、置いていかれたので、ようやく半分登ったといえる。
これなら、崖の上に登って逃げることは、不可能ではない。
しかし、譲治は、不安になっていた。
「女巨人は・・・、どうして、帰ってこないのだ?」
譲治の推測では、イタズラ好きな巨人は、譲治が苦労して崖を登り、逃げられそうになる直前
に帰ってきて、彼を捕まえ、その無意味な努力を笑うつもりなのだと、思われた。
それなのに、全然気配がない・・・? 彼女は、何処で、何をしているのだ。
ひとつだけ可能性があった。 仲間の誰かが、彼女に捕まったのだ。
きまぐれな巨人は、今、譲治のことを忘れて、他の誰かをその巨体でいたぶっているのだろう。
(結果として言うなら、譲治の予想は見事に的中していた。 彼女は、今、修司と遊んでいた。)
この時、譲治は、顔をしかめた。
彼は、自分が逃げるために「誰かが、巨人に捕まってくれたらいいのに」と考えていたのだ。
譲治は「自分さえ良かったら、他人がどうなってもいい」などと、考えるような男ではなかった。
「くそーーー!!」 譲治は、だんだん腹が立ってきた。
譲治は、女巨人の言ったことを思い出していた。
「この私に穴掘りさせたあなたには、特に念入りに、お仕置きをしてあげるわ。」
「私は、あなたに、慈悲をかけてあげるつもりはないのよ。」
彼女は、そんな意味のことを、言っていた。
なにが、「念入りにお仕置きをする」だ!!!
なにが、「慈悲をかけてあげるつもりはない」だあああ!!!!!
俺が、何をしたっていうのだああああああーーー。
「負けない!!! 負けないぃぃぃいい! 負けないぞおおお!!!」
譲治は必死になって、崖を登り続けた。 怒りは、彼に馬鹿力を与えた。
崖の上まで、後ほんの少しだった。
@@@@@@@
「うわあー!!!」 頭上に、巨大な足が迫ってきた時、修司は慌てて走り出した。
ミカは、彼女の足元で、小さなオトコが走り出すのを見て微笑んだ。
そう言えば、本気でこびとさんと「追いかけっこ」をするのは、始めてかな。
彼女は、ふとそう思った。
最初のこびと久太郎とは、彼女の寝室が狭いので、そこで追いかけっこはできなかった。
それでミカは、広くて遊び場のある、この島に来た。
その後、砂浜で船長を踏みつけた時、ミカは彼と追いかけっこをしようとした。
だが、これはミカにも意外だったのだが、船長は逞夫をかばって逃げようとしなかった。
森で隙夫を見つけた時も、木が邪魔だったので、ミカは走り回ることができなかった。
(彼女の力なら木を砕くくらい簡単だが、彼女は、あまり、この島の自然を破壊したくなかった。)
そのため、彼女は、森を逃げる隙夫を数歩で踏みつけることになった。
その後、出会った剛と孝治とも、走り回るという展開にはならなかった。
しかし、ここはミカにとっても、広い草原だ。 思う存分、彼を追いかけることができる。
「ふふふ、可愛いこびとさん、ゆっくりとゲームを楽しみましょうね。」
ミカは地響きをたてながら、歩き始めた。
こびと修司は、必死になって走っていたが、いかんせん巨人のミカとは、歩幅が違いすぎる。
2〜3歩で、彼女は、彼に追いついて跨いでしまった。
「ひいいい!!!」 修司は、今、自分の行動を後悔していた。
今朝、砂浜で、女巨人は、彼らが森の中に逃げ込むのを、笑って見逃した。
彼女は、木の陰に人が隠れても、すぐに見つけ出す自信があったから、そうしたのだろう。
だったら、森の中にいても、全然安全ではない。
それなのに、自分から、巨人がいる可能性がある方向に歩いていくとは・・・。
ここに来たところで、仲間を助けられないと分かっていたのに。
いったい、俺は何を考えていたのだ。 しかし、悔やんでも、もう手遅れだった。
ずうううんん!!
目の前に、巨大な裸の足が降ろされる。 地面に足がめり込む。
「わっ! わ、わ、わあ!!」 その衝撃で、修司は、あっけなく転がってしまう。
慌てて立ち上がろうとした彼の背中を、何かが突っつく。
巨人の足の親指だった。
「ほーら、ほーら、潰しちゃうぞ。」 天空に、巨人の楽しそうな声が響く。
小さな修司にとって、ミカの足指だけでも、おそろしい大きさだ。
「た、助けてクレーー!」 巨大な足指に潰される恐怖に、修司は、起き上がり走り出した。
修司は、森の中に逃げ込もうとしたが、草原は広い。
何処に逃げても、すぐ巨大な足が目の前に降ろされる。
巨人は、あまりにも大きくて、速すぎた。
修司は、彼女から逃げることができなかった。
「うわっ!!」 何回目かの衝撃に、修司は、またしても地面に転がった。
どうやっても、逃げられない。 はやくも、彼は立ち上がる気力を失っていた。
彼の上で、巨大な肉体が動く気配がする。 潰される・・・。 修司は恐怖に目を閉じた。
「あら、あら、 どうしたの、もう降参なの?
あーん、 あなたが走ってくれないと、面白くないわぁ。
あなたは、私を楽しませてくれないのね。 本当に悪いこびとさん!!
悪いこびとさんは・・・、私のお尻で、潰してあげる!!」
天空に、とんでもない内容の声が響く。
な、な、な、何を言っているのだ? 修司は、自分の耳を疑った。
尻で潰す・・・?? どういうことなのだ・・・。
そう言えば、目の前に足が降ろされたということは、女巨人は、修司を跨いで立っているのだ。
もし、彼女が地面に腰を降ろしたら・・・、
うつぶせに地面に転がっている彼は、いったいどうなるのだろうか。
修司は、おそるおそる、上を見上げた。
「ぎょえええええーーー!!!!!!!」 彼は、とんでもない悲鳴を上げた。
女巨人の『巨大な尻肉』が、天空より、ゆっくりと彼の上に降りてきていた。
白いビキニのパンティーから、ピンク色の豊かな肉が、はみ出していた。
「うば、うばばああーーー!!!」 修司は、意味不明の悲鳴を上げた。
おそらく彼は「うわー。」とか叫びたかったのだろうが、恐怖のため言葉にならなかった。
巨大な『女の尻』が、降りてくる。
実際に経験した者でなければ、その恐ろしさは、分からないだろう。
天空を覆う、豊かに盛り上った、大きくて、丸っこい巨肉。
地面に降ろされれば、地上の全てのモノを潰してしまえるパワーがある尻!!
それが、ゆっくりと頭上より、迫ってくるのだ。
地面にうつぶせになっていた修司は、慌てて、起き上がって走りだした。
「このまま、座ったら・・・こびとさん潰れちゃうかな?」 ミカはふと考えた。
修司の体は、結界に守られているとはいえ、すさまじいパワーを持つミカが、
全体重をかけて彼の上に座れば、ひとたまりもなく潰れてしまうかもしれない。
本当に殺しちゃったら、可哀想・・・。
そう思ったミカは、腰を下ろすスピードを緩めた。
ミカは、彼女の体の下から、こびとが逃げ出すのを確認してから、そこに座った。
ずううううんん!!!
大きな音と共に、地面が揺れるのを感じた修司は、後ろを見た。
山のように大きな白いビキニのパンティーの尻が、地面にめり込んでいた。
「ひいいい!」 恐怖に、修司は、引きつった。 ものすごい重さだ。
修司がそこにいたのなら、彼は間違いなく、ぺしゃんこにされていただろう。
「わ、わわっわわあああ!!!」
修司は、必死になって走りだした。
いくら何でも、女の巨尻の下敷きになって、死ぬのは真っ平だった。
彼は、全力で走った。
しかし、それでも、巨人ミカから見て、彼のスピードはあまりにも遅すぎた。
「ふふふふ。」 ミカは微笑みながら立ち上がり、再び、追跡を始めた。
@@@@@@@
「どうする・・・? 剛〜。」 情けない声で、孝治が尋ねた。
剛と孝治は、今、ミカの座っていた巨大な椅子の上に、置き去りにされていた。
剛は、すこし離れた場所を歩いている女巨人を、じっと見ていた。
巨人はただ歩いているのではない。 彼女の足の先には、修司が走っているのだ。
彼女は、まさに今、修司を踏み潰さんとしているのだった。
先刻、彼らを太ももで玩んでいた女巨人は、突然立ち上がり、
彼らにそこにいるように言い残し、森のほうに歩いていった。
疲れきっていた彼らは、椅子の上に倒れこんだ。
剛が薄れる意識の中で、巨人が何をするのかと思って見ていると、
彼女は、突然森の中に手を伸ばし、何かを掴んだ。
悲鳴から修司だと分かった。 そのまま、巨人は、草原の中央にまで歩いていった。
そのころになり、剛と孝治は、ようやく立ち上がる元気を回復したのだった。
「飛び降りるぞ。」 意を決した剛は、孝治に言った。
「ええ!! (TДT) 」 孝治は驚いた。
彼らが乗せられていた巨人の椅子は、太く長い4本の脚で支えられていたが、
腰を下ろす部分が広くなっているため、小さな彼らの体では、脚のつけ根に手がとどかなかった。
それにその脚は、太く、丸くて、小さな彼らの腕では、しがみ付くこともできそうにない。
したがって、剛と孝治が、椅子の上から逃げるには、飛び降りるしかなかった。
孝治は、おそるおそる、地面を見つめた。
さっきの机よりは、低くはなったものの、それでも、ここはすごい高さだ。
飛び降りたら、死なないまでも大怪我をするだろう。
だが、このままここにいても、巨人が帰ってくれば、何をされるか分からない。
へたをすると、椅子の上にいる彼らの上に、座られるかもしれない。
そうなったら、彼らの力では、あの巨大な尻を押し返すのは、不可能だろう。
いったい、どうすればいいのだ。
「くうううう・・・。」 絶体絶命のピンチに、孝治は、唇を噛んだ。
孝治は、ぼんやりと、さっきのことを考えていた。
彼は、先刻、巨人ミカの強力なテレパシーのため、催眠術にかけられた。
しかし、孝治は、その時、彼女が何をしたのかを正確に記憶していた。
巨人は、孝治たちのために(彼女から見て)とても小さなサンドイッチを用意していた。
これは孝治の予想だが、あれは、彼女が、自分の指先で苦労して作ったものではなく、
彼女が「欲しいな」と思ったら、どこからともなく出現したというかんじだった。
望めば、好きなものが出てくるのか???
まったくとんでもない巨人だ。 こんなのを相手に勝てるわけがない。
その時、孝治は、船にロープが置いてあったことを思い出した。
それは、ナイロン製の長い丈夫なロープで、漁をする時に、彼らが使用したものの一つだった。
あれがあれば、この椅子の上から、降りられるのに・・・。
いずれにしろ、椅子の上から飛び降りるのは、孝治は、真っ平だった。
地面に落ちたら、ものすごく痛いに決まっている。
あるいは、飛び降りたら、またさっきみたいに、巨人の体の上だったというオチのような気もする。
こんな時、不思議な力を持つ巨人なら、ロープが欲しいと思えば、出てくるのだろうか?
そんなことを考えても、無意味だと分かっていたが、孝治は、ロープが欲しいと心から願った。
その時、孝治の後ろで、ドサッという、何かが落ちてきたような音がした。
彼が振り返ってみると、そこには、「束ねたロープ」があった。
それは第二こびと丸に置いてあったものではなかったが、丈夫そうで、
それを使えば、この椅子の上からも降りられるくらいの長さがありそうだった。
剛と孝治は、ぽかんとした表情で、顔を見合わせた。
@@@@@@
「うぎゃあああーー!!! だ、たしゅげでぇクレーーー!! (>_<)
」
修司は、言葉にならない悲鳴を上げながら、全力で走っていた。
「ほらほら、速く走らないと、潰しちゃうぞ。 こびとさん。」
巨人の楽しそうな声が響く。
現在、ミカは、四つんばいになって、修司を追いかけている。
さっきまで、修司を歩いて追いかけていたのだが、巨大なミカは、すぐに彼に追いついて
しまうので、ハンデとして、彼女は、猫のような体勢になってあげることにしたのだ。
しかし、それでも、ミカは、彼よりもずっと速かった。
彼女は、自分が楽しむために、彼のすぐ後ろで、体をかがめた。
ずうううんん!! 轟音とともに、修司のすぐ後ろに、何か巨大なものが降ろされた。
反射的に振り向いた修司は、オソロシイ光景を見た。
白いビキニに包まれた巨大な「乳肉」が、地面にめり込んでいた。
火山島らしいこの島には、草原にも、溶岩の固まってできた岩の塊がいくつかあった。
驚いたことに、彼女の乳肉は、その岩さえも、簡単に砕いていた。
ミカは、別に体重などかけてはいなかったが、彼女のおっぱいの肉は、大きくて強靭で、
その重みだけで、地面の全てのものを潰してしまうことができた。
「わ、わわわわっ! うわっ!」
恐怖のため、修司の足はもつれ、彼は、その場で仰向けに転んでしまった。
すぐに、巨大な「おっぱい肉」が、地面から持ち上がり、彼の上に迫ってきた。
(その24に続く)