巨大美少女ミカ (22)
(不運な泥棒 改題)
NEW2さん みどうれい作
第二部 不運な船員さん達(その7)
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ミカが、剛と孝治を玩具にして遊んでいたころ、リィナと久太郎は、まだ寝室にいた。
「はあ……、はあ……。」
久太郎は奮闘の末、疲労でぐったりしたリィナの口の中から、なんとか脱出できた。
彼は巨人リィナの口元で、登頂困難な山を征服した登山家のような満足感に浸っていた。
いや彼はそれ以上の苦労をしているだろう。
さっきミカは、リィナの全身にローションを塗ったが、それはリィナの肌に吸収されたらしく、
彼女の巨体は、つやつやと輝いていた。
一瞬、久太郎は、リィナの美しい肌に見惚れてぼっとしたが、すぐ正気に戻った。
「え〜い、こんなところはご免だ〜脱出してやる。」
その直後、リィナは少し頭を動かした。
「うわっ!」
それは久太郎にとって大地震のような振動だった。
彼は足を踏み外し、リィナの胸元まで転がり落ちた。
起き上がった久太郎の目前にはリィナの二つの巨大なおっぱいが、まるで彼を押し潰さん
ばかりに立ちふさがっていた。
「やばい、まずはここから逃げないと。」
リィナは疲労で朦朧(もうろう)とする意識の中で、なんとかしなければと考えていた。
だが、今の状態では妹と戦うどころか、立ち上がるのさえおぼつかない状態である。
まずは疲労を回復する事が先決だろう。
「う・・・うん。」
リィナは今度は体を少し動かした。
「げっ。」 久太郎はまたもやバランスを崩し、倒れこんだ。
慌てて立ち上がろうとするが、手元足元が柔らかく思うようにいかない。
久太郎は先ほどの振動で巨人リィナの胸の谷間に落ち込んでしまったのだ。
「う・・・・うん。」
リィナは再び体を少し動かした。彼女は仰向けから少しからだの向きを変えた。
「うげぇっ!!」
巨人リィナの片方のおっぱい山が、土砂崩れのように襲いかかった。
「たす……け……て……く……。」 久太郎は再び自由を失ってしまった。
どうやら、リィナがミカの暴走を止められるようになるのは、もう少し先になりそうだった。
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「わぁぁぁっぁぁっ!!」
「やめてくれぇぇぇ!」
剛と孝治は、巨人ミカの太ももに挟まれて、悲鳴を上げることしかできなかった。
ミカは無力なこびと達に話しかけた。
「ふふふ。 こびとさん。 逃げたかったら、いつでも逃げたら良いのよ。
もっとも、逃げられればの話しだけど・・・。」
ミカは笑いながら、太ももを開き、二人のこびとを開放した。
「逃げるんだ!」
「わかった。」
逃げられない事はわかっていた。
だが、この恐怖から、たとえ一瞬でも逃れたい。
無駄とは分かっていても、少しでも食べられてしまうまでの時間を稼ぎたかった。
しかし、それは全て二人の意思とは関係なく、ミカに決定権があったのだが。
「あらあら。 また無駄な抵抗をしちゃて……。」
ミカは、自分の太ももの上で、逃げようと立ちあがった二人のこびとを見ていった。
恐怖の巨人から逃げられるという剛と孝治の希望は、すぐに打ち砕かれた。
ミカは、二人のこびとの乗っている方の太ももを少しだけ持ち上げた。
-ぐぐうっ-
足元が柔らかく、走って逃げるどころかうまく歩けなかった剛と孝治の足元の
途方もない巨大な筋肉に力が入り、二人はバランスを崩し、倒れた。
再び、もう一方の巨大な太ももが二人を襲い、彼らは何もできないまま挟みつけられた。
今度は全身ではなく下半身の自由を奪われただけの二人だったが、
逃げられない事には変わりがない。
それでも剛は、逃れようと体をよじり両腕に力を入れ、巨大な肉柱を押し返そうとした。
孝治は、白い肉の壁を何度も殴りつけた。
もちろん、巨大なミカにとって、それは優しくつつかれている程度の感覚しかない。
「く……苦しい。」
「放してクレぇぇぇ。」
剛と孝治の悲鳴は、遠くまで響いていた。 その悲鳴を、聞きつけたものがいた……。
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校庭 修司は、森の中を彷徨っていた。
一人きりで逃げていた修司は、猛烈に心細かった。 いつ巨人が姿を現すか分からない。
仲間といっしょにいれば、この不安がやすらぐかもしれなかった。
彼は、誰でもいいから会いたかった。
そんな時、彼は、剛と孝治の悲鳴を聞いたのだった。
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「どうやら、もう一人、お友達が来たようね。」 ミカは、森の方を見ながら、つぶやく。
彼女の超感覚は、森にいる修司の位置を、正確に把握していた。
それから、ミカは、彼女の二人の囚人たちに、目をやった。
彼女の太ももの谷間に、挟まれた剛と孝治の上半身が、そこに見えていた。
非力な二人のこびとが、彼女の太ももの間で、必死になって暴れていた。
それは、とても素晴らしい感触だった。
彼女の太ももは、頑丈なビルでさえ、簡単に挟み崩すことができる。
ミカにとって、剛と孝治を潰すことくらい、なんの造作もない。
しかし、彼女は、そんなことを望んではいなかった。
彼らは、可愛い「狩りの獲物」なのだ。
じっくり、じっくり時間をかけて、遊んであげなければならなかった。
彼女は太ももの筋肉から力を抜いて、剛と孝治を潰さないように注意しながら遊んでいた。
だがそのうち、こびと達の抵抗が弱まってきた。
あまりにも強いミカの力の前に、どうやら、彼らは疲れ果ててしまったようだった。
「あらあら、こびとさん、私の太ももが遊びたいって、言っているのに、
もう降参なの? あなた達が暴れてくれないと、つまんないわぁ。
それじゃあ・・・、二人とも、潰しちゃおうかなっと。」
ミカは、ぎゅっと強く、彼らを絞り上げた。
「や・・・やめろー!!」
「た、助けてクレぇぇぇ。」
すさまじい恐怖に、剛と孝治は悲鳴を上げる。 彼らは、また暴れだした。
「そうそう、それでいいのよ。」 ミカは、楽しそうに微笑んだ。
だがミカも、彼ら二人の体力が限界にきていることを知っていた。
こびと達は、小さくて非力なのだ。
あまり疲れさせて、遊べなくなってしまっても面白くない。
ミカは太ももを開いて、彼らを解放し、椅子から立ち上がった。
疲れきった剛と孝治は、そのまま椅子の上に倒れこんだ。
「ふふふ、こびとさん、お友達をもう一人、連れてきてあげるわ。
あなた達は、そこで、しばらく待っていなさい。
逃げようなんて考えちゃ、だめよ。 私はすぐに帰ってくるから。」
そのまま、ミカは、修司のいる森の方に歩き出した。
再び、狩りを楽しむ時間だった。
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森の中で、仲間の悲鳴を聞いた時、修司は焦った。
誰かが、巨人に捕まっているに違いない。
「逃げなければ。」 修司はそう考えた。 しかし、彼の足は動かなかった。
修司は、ぼんやりと「海の男は仲間を見捨てない」という、船長の言葉を思い出していた。
その言葉は、嘘ではなかった。
漁の最中に、ひとたび事故があれば、人の命にかかわる場合が多い。
それは、いつ自分の身におこるか分からない。
彼らのほとんどが、仲間が困っているのを知った時は、全力で助けようしただろう。
俺はまだ巨人に見つかっていない・・・。 修司はそう考え直した。
彼が、現場に行ったところで、仲間を助けることはできないだろう。
しかし、修司は、自分だけ逃げることができなかった。
幸い、彼は、木が群生している場所にいた。
樹木が邪魔で、巨人も入って来られないから、見つかっても逃げられるような気がした。
彼は、とにかく、仲間の声が聞こえた方に、行ってみることにした。
しばらく歩いた彼は、向こうの方が明るいのに気がついた。
どうやら、そこは草原のようだった。
修司はふと考えた。 もし草原に巨人がいるのなら、出て行くのは危険だろう。
彼は、草原の方に意識を集中した。
しかし、そこには何の気配も感じられなかった。
その時、いきなりあたりが暗くなり、メキメキという木が砕け散るような音がした。
「うわ!!」
巨大な手が木をへし折り、いきなり伸びてきた時、修司は悲鳴を上げた。
彼は慌てて逃げようとしたが、あっさりミカの手に握り締められてしまった。
「こびとさん、ゲット!!」 巨人の楽しそうな声が響いた。
「そ、そんな!」 修司は愕然とした。
うかつにも、彼は草原で待ち構えている巨人のすぐ近くまで、来てしまったようだった。
巨人は、彼が想像したよりも、ずっとずっと速かった。
そして不思議なことに、巨大すぎる彼女の気配は、彼には全く感じられなかった。
修司は、そのまま持ち上げられた。 巨大な顔が、楽しそうに彼を見つめていた。
「うわあああーー!!!」
修司は悲鳴を上げて、暴れたが、彼を捕らえる彼女の手は、びくともしなかった。
「自分から、私のところに来るなんて、おバカなこびとさん。
あなたは、お友達のことが心配だったみたいね。
ふふ、勇敢なのね、でも、そういうのって・・・好きよ。」 巨人の声が響く。
「ひいい!!!」 巨大なピンク色の手の中で、修司は悲鳴を上げていた。
この時、彼は、この女巨人に、自分の顔を見られてはならないと焦っていた。
先刻巨人ミカが、砂浜で、第二こびと丸の全員を捕まえた時、修司は、
彼女に「バカヤロー」と叫んでいたのだ。
無謀と言えばそうなのだが、彼は、ミカに「裸になりなさい」と、無茶苦茶なことを言われ、
反射的に、そう叫んでしまったのだ。
もし、巨人がそれを覚えていたら、どんな仕返しをされるか分からない。
彼は、戦慄におののいた。
非力なこびとが、ミカの手の中で小さな声を上げて、もがいていた。
彼の顔を見たいと思ったミカは、もう一方の手を伸ばし、指で、彼の顔を押し上げた。
「あら・・・。」 ミカは。すこし驚いたような声をだした。
こびとは、意外に整った顔をしていた。
彼を捕まえた時、下を向いていたので、よく顔が見えなかったのだが、
修司は、週刊誌等の「恋人にしたい男、人気投票」で、
よくNO.1に選ばれる俳優「木村野 宅やん」(きむらのたくやん)に似ていた。
まぁ、こびとは小さいから、ミカから見れば、みんなそこそこ可愛く見えるのだが、
彼は、今まであったこびとの中では、一番ミカ好みの顔だった。
「ふーん、ルックスいいのね。 こびとさん。」
でも、なんで、顔を隠すのかしら?
そう思ったミカは、テレパシーで、彼の心を探ってみた。
彼は、ミカに「バカヤロー」と叫んだので、自分が復讐されると考えているようだった。
なんだ、くだらない。 ミカは呆れた。
ミカは、彼らを相手に遊びまくってはいたが、すんだことを根に持つタイプではない。
こびとのたわ言など、彼女は、いちいち気にしていなかった。
しかし、なかなか顔のいい彼を、言葉でイジメテあげるのも楽しそうだった。
彼女は、手に握り締めたこびと修司に、話しかけた。
「あなたのこと覚えているわよ、こびとさん。
確か、あなたは、砂浜で私のことバカヤローって、言ったわよね。」
女巨人の声が響いた時、修司の顔は引きつった。
お、覚えてるー。 (T_T)
修司は、自分が仕返しをされると確信した。
ミカの手の中で、こびとがぷるぷる震えだした時、彼女は、笑いをこらえるのが大変だった。
こんなくだらないことを言われたくらいで怯えるとは。 こびとさんて、なんて非力なのかしら。
ミカは、もう少し、彼をイジメテあげることにした。
「小さなあなたが、私のことを、そんなふうに言うなんて・・・、
ふふ、あなたには、お仕置きが必要なようね。」
同時に、ミカは修司を握る手に少し力を加えた。 彼の悲鳴が響く。
それから、ミカは修司を握り締めたまま、地響きを上げて歩き始めた。
今回あっさりと、こびとを捕まえてしまったので、ミカはつまらなかった。
まだまだゲームはこれからだ。
彼女は、「狩り」を、じっくりと楽しみたかった。
草原の真ん中あたりまで歩いたミカは、そこで、修司を地面に降ろした。
修司の目の前には、信じられないくらい大きな「巨人の足」があった。
ミカは腰に両手をあて、彼女の足の前で、怯えるこびとを見ながら微笑んだ。
「こびとさん、お友達を助けようとしたあなたの勇気に免じて、
あなたにも、生き残れるチャンスをあげるわ。
私と、この広い草原で、追いかけっこをしましょう。
うまく逃げられたら、あなたは、私の足に踏み潰されないで、すむかもしれなくてよ。」
ミカの楽しそうな声が響いた。
同時に、巨大な生足が上がり、ゆっくりと修司の頭上に迫ってきた。
(その23に続く)