《 学校の巨大娘8 縮小チキンラン 》

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 2030年の今日、進化系の縮小男性が誕生している。 身長5cmくらいに小さくなっても数時間後に元のサイズに戻るのだ。 最初はその不可思議な現象に戸惑っているがやがて慣れてしまう。

 彼らはその能力を使ってスリルと快感を楽しもうとする時がある。

 今回はその縮小ゲームの中でも、暴挙中の暴挙「縮小チキンラン」について記述する。


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学校へと急ぐ女子高校生たち。 朝の微笑ましい通学路の光景である。

 しかし、彼女達の足元をよく見ると、何か小さなモノがちょこちょこ動いている。







 あぁ、小人さんだ! 小人さんが女子高校生の足元を走っているのだ。

 チキンランという言葉を知っているだろうか、映画か何かで見た記憶はあるだろう。 二台の車で海辺の断崖絶壁へ突っ込んでいく。 先にブレーキを踏んだ者が負けである。 一歩間違えば崖から海に落ちて命を失うかもしれない危険なゲーム。

 「この縮小チキンラン」では、小さくなった男子数人で、なんと、巨大な女の子達が歩いている中へ飛び込んでいくという無謀な、というか命知らずのゲームである。 たいがいの小人は彼女の大足の迫力にびびって途中で脱落(リタイア)する。 今回のケースも実際に彼女達の足元に突っ込んだのは一名だけのようだ。

 それにしても何を考えているのだ。 小指サイズの彼から見れば彼女達の足は二階建てのバスよりも大きい。 踏まれたら最後、一瞬でこの世とはおさらばである。

 迫力を楽しみたいのか? それとも自分の勇気を示したいのか・・・巨大娘が大好きな私、海堂礼にとってもこの無謀な行為の意味は理解できない。






 ある登山家が言っていた言葉を思い出す。 「そこに山があるから登るのだ」 と・・・。そう理由など無いのだ。 いや、彼には必要ないと言うべきか。

 人の価値観を他人が理解することなど誰にもできない。 命の危険を冒してもやらねばならない時がある。

 巨人の足の横を走る彼の嬉しそうな姿・・・。 彼がこの行為を楽しんでやっている事は、他人である私にも理解できる。

 もしかしたら小さな彼にとって、
凄まじく巨大な女の子の足元を走ることが生きる目的であり、その瞬間こそが人生最良の時なのかもしれない。


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