《 人類の起源 》 第四話

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 夢破れたディアールナは完全に頭にきていた。地面の男達を見下ろし言う。

 「何よ、アンタ達、虫みたいに小さな男のくせに私の身体を見つめるの? あはっ、どうやら地球の男は私の胸が好きみたいね。それならたっぷり見せてあげるわ」

 彼女は手を背中に回すと、ゆっくりと黒いビキニブラの留め金を外す。ブルン、音をたてて健康的な若い乳房がまろび出る。地上に群れる小さな男達に見せつけるように、ディアールナその凄まじい巨乳をわざと揺らしてみる。空気が振動する。涼しい風が乳首にあたって心地よい。

 彼女の乳首は固く巨大に勃起していた。 大きな胸は自分でも可愛いと思える程の美麗さだった。 しかし、それはこの星の小さな住民から見れば、小惑星サイズのモンスターなのだ。

 彼女は手を胸にあて、乳房の重さを計ってみる。この胸なら都市の一区画でも簡単に押し潰せると考え、微笑んだ。それは戦闘種族本来の破壊の欲望だった。


 遠く離れた隣の都市からも彼女の裸の巨胸がはっきりと見えた。 それは間違いなく地球最大サイズのストリップショーだったろう。

 地面の人々から見れば、ディアールナの胸が大きすぎて顔がよく見えないくらいだ。いや、巨乳の谷間のわずかな隙間から見える、視線があった。彼女は再び地面の人々を見下ろしていた。

 ディアールナは驚いた。地面ではまだ多くの男達が彼女の巨体を見上げていた。見たこともない巨大な女の乳房に歓声をあげていた。 何なのよ、この男達は? 彼女がほんの少し足を上げただけで、そこにいる全ての人間が踏み潰されるのに、何故逃げないのか?

 ようやくディアールナは思い出した。彼女は特殊なフェロモン剤を飲んできたのだ。それは謎の疫病のため男性が女性の1/100くらいになった時に作られた薬で、それを飲めば女性の体から男を魅了する香りが周囲に発散するという効果があった。恋人を求めるグリードラ人女性化学者が執念で作った薬だ。

 
フェロモン剤を飲んだディアールナの汗の香りは、地球の人間にも効いていた。 いや、身体が小さい分、数千倍、数万倍の効果を発揮していた。地上の多くの男達が正常な判断力を失い、悩殺され彼女のカラダの虜になっていた。危険な状況にも関わらず逃げようともせずに、ただ彼女の美しいカラダを見上げていた。 すでに男達の目に、ディアールナは崇拝すべき巨大な女神と映っていた。

 実際に彼女の手が、色っぽい巨大なビキニのブラを都市の上に無造作に放り投げた時、その下の地面にいた男達は、この巨大な女のアトラクションを崇拝して逃げないでいた。 そのため巨大で熱いブラジャー布の重みの下で多くの男が歓喜の表情のまま潰されたのだった。

 こ、こんなしょ〜もない小さな男達を喜ばすために、自分は高価なフェロモン剤まで飲んできていたとは・・・ディアールナの中で何かがブッチと音をたてて切れた。



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