《 人類の起源 》 第三話 ---------------------------------- 巨人の娘は呆然としていた。ようやくディアールナも事態を正確に把握していた。なんと言うコトなのか、小さ過ぎる、あまりにも小さい!彼女の身長の二千分の一サイズの男達・・・これでは恋人を探す事など不可能だった。 彼女の来訪の目的は・・・地球の男性とセックスをして自分の子供を生むためだった。400万光年の彼方から、はるばる地球へとやって来た。それがこのザマであった。 そう、テレビ画像を見ただけだったので、地球人が自分と同じ姿をしていると分かったのだが、対比物が無いため彼らのサイズまで分からなかったのだ。地球の男達は・・・あまりにも小さすぎた。 いったい、何をやっているの・・・私ったら。 逞しい恋人を作る夢も、救世主になる夢も、これでパーである。呆然としていた。こんなコトなら地球のテレビ画像を専門家に見てもらうのだった。しかし手柄を独り占めしたい彼女は誰にも地球の話をしなかった。 宇宙船を買うのに多額の借金をしてしまった。彼女の星に金持ちの男でもいたらディアールナの美貌でたらしこんで金を巻き上げるくらい簡単だろう。しかし星にはもう男がいない。このままでは一生借金地獄である。 |
ふと気がつく。焼けつくような視線を感じる。地上からだ。都市という名前の地面を見下ろす。戦闘種族の彼女の視力は優れていて、小さな地球人の姿や表情までもはっきりと見えた。
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