《 真夜中の体育倉庫 》 第17話

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 あぁ・・・、愛花ったら、悪い女の子ですね。

 大好きな健一さんを小人にして、こんなコトするなんて。

 あん、でも・・・ とっても気持ちがいい。



 さっきから健一さんが小さな声で、きぃきぃ叫んでします。

 こんなに小さくても貴方の声は、はっきりと聞こえます。

 え、「愛花ちゃんの恋人になって、一生、愛を誓うから元に戻してくれ!」 ですって?

 素晴らしい。 もう一度言ってください。健一さん。

 私の恋人になって一生、愛を誓うって。

「君のような可愛い天使に気がつかなかった僕がバカだった。
どうか許してほしい。 これからは君と正しい人生を歩みたい」 ですって?

「生涯、愛花ちゃんだけを見て生きていく!
だから元の大きさに戻してほしい」 って?

 愛しい貴方の小さな声がはっきりと聞こえます。




 ううぅ、何と言う喜び、

 何という感動!

 何という幸せ!

 健一さんが求愛してくれたよお!!

 あぁ、涙、出てきちゃったぁ。



 
嬉しい! 健一さんが私を愛してくれるって!






 あは、あははは、





 あは、あははは、 あはは、





 あは、あははは、


 
また嘘を言っていますね。 健一さん。



 私には分かります。

 うまいコト言って、私をだまして逃げるつもりなんでしょう。

 私が超能力者だという事を忘れたのですか?

 健一さんが嘘を言うと、貴方の汗の匂いが微妙に変化するのです。
こんなに小さいのに、私は健一さんの香りを、はっきりと嗅ぎわけるコトができますから。

 
そして、これは嘘を言っている匂いです。

 あぁ、私がこんなに貴方を愛しているのに、口から出まかせを言って逃げようとは・・・、
もう許せません。 健一さんにお仕置きをしなければいけません。


 私は手を伸ばし、身長2センチの健一さんを摘み上げる。
そのまま顔の前に運ぶ。 全く重さを感じない。

 今の健一さんの大きさは、私の指の爪のサイズしかない。
小さな悲鳴が聞こえる。

 あぁ、思い出しました。 私の一番やりたかった事を・・・。

 私は健一さんを食べてしまいます。




 あぁ、何か言いましたか? 健一さん。

「僕のことが好きなら、どうしてこんな酷い事するの!」 って叫んでますね。

 そう、そうですわ! 私は世界で一番、健一さんが大好きです。
でも、でもね、女の子ってとても自分勝手で我侭なんです。

 私の心と体が貴方を求めているのです。

 健一さんを食べて、消化して、私の体の一部にしてしまったら、
永遠にいっしょにいられるのです。

 なんて素晴らしい! なんて楽しいの!

 あぁ、あ、喉の奥が貴方を思ってグビグビなっています。 もう、我慢できません。 



 ああ・・・ねえ、見てください、健一さん。

 愛花の唇、ピンク色で可愛くて、大きくて、セクシーでしょう?

 舌は湿ってうねるモンスターみたいに見えるのかしら?

 私のお口は健一さんみたいな小人なら、一度に100人食べても大丈夫なの。

 貴方はこういうの好きでしょうか?

 ねえ、ほらちゃんと見てください。 貴方の目で私の大きな口を見てほしいの。

 ふうー・・・ああん。

 見える。 健一さんの恐怖が見える。 うふふ。



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