《 サキュバスマリア 16 》 ---------------------------------- ふと地面を見る。 地面に地下街への入り口がある。 良樹の放出した大量の精液が爆弾のように落ち、ほとんど崩れかけた地下への侵入口に、流れ込んでいる。 そこからかすかな悲鳴が聞こえる。 |
どうやら、地下街で生き残った数人が、巨人の精液のため逃げ場を失い出られなくなったようだ。 |
「うわああああーーー!!」 マリアの巨大な顔に見つめられ、桐生は悲鳴を上げる。 閉じ込められた地下街で、大量の液体が流れ込んでくるという絶対絶命の窮地。 信じられないコトだが、その匂いから、男の精液だとすぐに分かった。 さすがに地下街を完全に水没させる量ではなかったが、 入口が、ねばねばの樹液にふさがれて、もう誰も外へ脱出できない。 いきなり天井が破壊され、巨大な肉色の筒が3本も現れた。 凄まじい力と大きさだ。 それが巨大な女の指だと理解する。 直径3メートルセンチ、長さ15メートル以上はありそうだ。 中指と人差し指、そして薬指である。 天井を破壊した時、勢いあまって2人が指に潰されたように思う。 だが、そんな事を全く気にしないように、巨大な指は動く。 指は動き、桐生たちを指にくっつける。 巨人男の樹液が粘着剤の作用をはたしていた。 そのまま天空へと運ばれる。 桐生達は信じられない光景を目にする。 彼女の身長は推定360m! 200倍の大きさの女巨人。 ずっと遠くに巨大な高校生らしい男子が、白目をむいて寝そべっている。 ようやく桐生は理解していた。 この巨大怪物男女が地面を踏んだので地下街が崩れたのだ。 そして、桐生達20人が地上に出ようと苦労して間に、 この女は、巨大な男子とエッチをして、そこら中に精子をぶちまけたのだ!! そのため、桐生達は地下街の入り口をふさがれ閉じ込められてしまったのだ。 この女は、俺達の事を虫けらだとも思っていない。 現在、女巨人の指に、巨人の樹液で桐生達6人がへばりついていた。 巨人精液の粘着力に彼らは動くこともできない。 彼らは巨人から見て、身長2cmにも満たないから、そんな事が可能だった。 桐生たちはあまりにも小さすぎて、もはや逃げる事も抵抗する事も不可能だ。 女巨人が地下街から、彼ら6人を助けてくれた。 しかし、桐生は理解していた。 彼女の目を見れば分かる。 この女巨人は善意で俺達を助けてくれたのではない! 自分のオモチャにするつもりなのだ。 こんなコトなら地下街で天井の下敷きになった方がマシだった・・・。 桐生たち6人は、そう言う事になるだろう。 背筋の凍る予感に、彼らはただ怯えるしかなかった。
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