彼女は自分の身に何が起こったのかを思い出していた。
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火野崎 亜矢香(ひのさき あやか)はファッションモデル。
ネットで情報が交錯するこの時代、何のバックもない女性がモデルとして成功するのは難しい。 しかし亜矢香はファッション誌の表紙を飾ったり、テレビのトークショーに出演したりと、ブレイクという程でもないが「実力がある人気モデル」として成功していた。
その彼女が恋をした。 相手は名前も知らない男子高校生。 通勤のために乗る電車の車両で見かけた少年。 憂いをおびた整った顔、すらりと背が高い、服の上からもプチマッチョを想像させる体つき。 ただ本を読んでいるだけの彼に亜矢香は一目惚れしててしまった。
まるで魔法にかかったよう。 彼と話をしたい。 彼が好き! やがて亜矢香は毎日、その時間の電車に乗り、彼を待つようになった。
ある日、彼の近くに行きたいという欲望を我慢できなくなり、電車の中でそっと少年の後ろに立った。 いきなり少年に亜矢香の手がつかまれる。 「えっ、ええ!?」 驚く彼女。
「いつも僕の事、見てたね」 少年が彼女に背を向けたまま言う。 ちょうど電車が止まる。 彼は亜矢香の手を掴んだまま駅のホームに降り歩き出す。 つられて彼女もいっしょに歩く。 胸がドキドキして抵抗できない。
何処に行くのか? と思っていると、なんと少年は駅裏のラブホテル街に彼女を連れていく。 「えっ、ええ!?」 再び声を出して驚く亜矢香。
「セックスしようよ。僕と」
あまりにストレートな言葉。 初めて彼が亜矢香を見る。 吸い込まれるような目線。
彼女の意識が薄れていく。 いけない! この少年は魔性の存在、本能的に理解した。 だがどうしようもない。 気がつけば彼女たちは豪華なラブホテルの一室にいた。 柔らかいベッドの上に押し倒される。 魔法にかかったように全く抵抗できない。
裸になり体を重ねる2人。 凄まじい快感が亜矢香を襲う。 少年の愛撫は稚拙なものであったにも関わらず、彼女の急所を完全についていた。 少年は明らかに人間ではないと頭では理解できたが、そんな事はもうどうでもよかった。 全身が性器になったよう・・・小説で読んだ事のある卑猥な描写を理解できた。
何回いかされたのかも分からない快楽の渦。 やがて3時間にもおよぶ強烈なセックスの肉弾戦が終わる。 少年が何も言わずに服を着て部屋から出て行こうとする。
「お願いだから行ってしまわないで!」 亜矢香は彼の足にすがりついて哀願した。
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それから亜矢香の生活は一変した。 セックスが生活の中心となったのだ。 毎日、少年が高校から帰る時間に駅前で待ち合わせ。 そのままホテルの一室に直行、数時間におよぶ2人だけの情事。 モデルの仕事もすっぽかす。彼女の所属するモデル事務所の社長がかんかんに怒ってTELをしてきても着信拒否。 もう少年とのセックス以外はどうでもよかった。
亜矢香は彼の名前を知らないままだった。 ただ「ご主人様」とだけ呼ぶ。 年齢は彼女の方が上なのだが、すっかり少年を崇拝していたため何の違和感もなかった。
そのうち少年にも奇妙な性癖がある事が分かった。
彼は裸エプロンの女性が好きだった。
彼は亜矢香に全裸になるように強要し、何処かで買ってきた純白フリルのエプロンだけを身につけさせる。エプロンの下に手をいれ乳を揉む。後ろから犯す、その姿での亜矢香とのセックスで少年は異常に興奮した。
少年は素直に言う。 「裸エプロンはいい。男のロマンだよ。女性が男性を喜ばせようと努力するのは正しい事なのだから」
裸エプロンとは女性が楽しいというより、男性のための趣味なので、常識人の亜矢香に興味はなかったのだが、彼に喜んでもらおうと言われるまま命令に従った。
不思議な事に、少年の用意した白いエプロンは、外側にポケットが無かったのだが、エプロンの内側に「小さなポケット」がいくつかついていた。 亜矢香の小指の先がかろうじて入るくらいのサイズだ。 何故こんな小さなポケットが必要なのか?
彼女はあまり気にしなかったが、数日後に、彼女はそのポケットが「100分の1サイズの小人」をそこに入れるため作られたのだと理解することになるのである・・・。
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ある日の事だった、いつものように駅裏のラブホテルの一室で裸エプロン姿になって奉仕していた時、 急に少年が「飽きたから、もう別れよう」と彼女に告げる。 脳天を殴られたような衝撃! 亜矢香は彼のいない生活など想像できなくなっていた。
「お願いです! ご主人様、捨てないでください、嫌いにならないでください。何でもします。どんなご命令にも従います!」
恥も外聞も無い、初めて抱かれた日と同じように、少年の足にすがって哀願する。
しばらくその姿を見つめていた少年は言う。 「本当に何でもするの?」
「は、はい! ご主人様のおっしゃる事なら何でもします。 何でも!」 絶望のため彼女は泣きそうになっていた。
「そう、それじゃ、今日はいつもと違う遊びをしよう。後ろを向いて背中に両手をまわしてくれないかな、縛ってあげるから」
「は、はい」 亜矢香は安堵する。 縛られるくらい何でもない、今日のご主人様はSMプレイをしたい気分らしい。
裸エプロン姿の亜矢香は言われるがままに背中を彼に向ける。 少年は手早く荒縄で彼女の手を後ろで縛る。もうこれで彼女は抵抗できない。 そして何処にあったのか、SMプレイで使うような足かせを彼女の裸の足首にはめる。
これからどんな事をしてくださるのだろう? いつものように凄い快楽を与えてくださるに違いない。彼女は期待にわくわくする。
「それじゃ、目を閉じて」 と少年。
「は、はい」 言われるままに目を閉じる。
「そして大きくなりたいと心から念じて」
「はぁ?? どういう事ですか、ご主人様」 亜矢香は彼の言葉の意味が分からずに、その意味を聞き返す。
「ビルよりも巨大な体になりたいと念じるんだ!! はやくしろ」
「は、はい」 少年の口調に怯えた彼女は意識を集中する。
大きくなりたい!
大きくなりたい!
ビルよりも巨大に!!
その瞬間、亜矢香の中で何かがはじける。 凄まじい快感の渦! まるで高層ビルの屋上から落下するような目まいを覚えた次の瞬間、彼女の体がもりもりと大きくなっていく。
轟音と共に彼女のいたラブホテルが、内部で膨張する巨大な肉体の圧力に抵抗できずに爆発する。亜矢香たちと同じように逢瀬を楽しんでいた若いカップルたちが悲鳴を上げながら、崩れた建物の瓦礫と共に地面に落ちていく。
「え、ええぇ!!」
目を開いた亜矢香は驚愕する。
彼女は玩具の町にいた。 いや違う、玩具などではない・・・町だ、本物の町を彼女は見下ろしていた。
彼女はとんでもない大きさになっていた。
推定で100倍の大きさ・・・
身長167mの女巨人!!
裸エプロンに、後ろ手に縛られた姿で・・・。
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