《 この世界は「えっちなおねえさん」のモノになりました 》 05

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第5章 ビルだって握り潰しちゃうわ


(巨人女性亜理紗の視点で)

私は亜理紗。
アスファルトとコンクリートで固められた硬い都市の地面。
その上に座り体を伸ばす私。 地面が柔らかくめり込む。
モッフなクッションの上に座ったような・・・全然痛くない。

大きさといい、強靭さといい、凄い肉体を手に入れた。
「私って、強いんだ・・・本当に神ってる」

巨大化した事への困惑と不安感が、優越感と快感に変わっていく。
大勢の人たちが私の巨体に潰されている事など、もう気にしない。






だけど、まだ油断はできない。
今後のために自分の力をちゃんと理解する必要がある。

地面に置いた自分の手の横を見る。
5〜7階建ての雑居ビルが立ち並んでいる。
いつもなら見上げていたビルが、今は私が片手で握れるサイズ。



そのうちの一つ、5階建ての雑居ビルに手を伸ばし握る私。
簡単に地面から剥がして、顔の前に運ぶ。
こんな小さなビルは身長500mの私にとって手のひらサイズ。
中はよく見えないけど、きっと大勢の人がいるのだろう。

(ごめんなさい・・・でも、私は自分の力を知りたいの)
心の中でつぶやいた後に建物を握り直して一気に力を込める。

くしゃ!
やだ超ウケルー。 面白い。
まるで砂糖菓子で造られた玩具のように建物が壊れる。
手のひらの肌に抵抗なんて感じない。 柔らかく、もろいという感触だけ。

おそらく数十人の人が働いていただろうビルを握り潰してしまった。
でも、罪悪感など無い。 それどころかぞくぞくする。

そう、私って鬼強い、スーパー神ってる巨人の肉体を手に入れた。
その高揚感が私の身体を駆け抜ける。



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