《 亜紀と達也 》 第5話

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亜紀は超能力を使い、達也を苛めた郷田たちを探す。 郷田たち不良5人組は、旧校舎裏のプレハブの部室にいた。

「うふふふ、見つけた」
舌なめずりする亜紀。 


亜紀は四つん這いで進み、小さなプレハブ小屋を見下ろす。
大巨人である亜紀にとって、プレハブはまるでマッチ箱のように、小さく弱々しい物に見えた。

郷田たち不良5人組は、今日もそこにいた。 彼らはそれぞれ後輩を脅して、いくら金を持ってくるかを競っていたのだ。 教師も黙認している。 この学校に自分たちに逆らう者などいないと信じていた。 しかし、それは大きな間違いだった。


 


「おう、なんだぁ、地震か?」
部室中の5人は不安そうに顔を見合わせた。

状況判断が遅すぎる。彼らは同じ高校内の校舎が、教師の深川といっしょに巨人亜紀のおっぱいに押し潰されたことなど、全く知らなかった。

その時、バキバキと金属のきしむ音がプレハブの中を襲う。 部室の壁が猛烈な圧力でへこんでいるのだ。

「うわ!? どうなって・・・」

郷田は椅子から転げ落ち、恐ろしげに壁を見る。
歪み出す壁の圧力に耐えられずはめ込み式の窓ガラスもバリバリと割れだした。

亜紀が右手の親指と人差し指でプレハブ小屋をつまんでいた。
巨大すぎる亜紀にとって足元のプレハブ小屋は小さすぎる。

「弱い・・・とても、もろいわ」

亜紀はプレハブ小屋の土台を引きちぎり、小屋を摘み上げた。
ゆっくりと立ち上がり巨大な手のひらに小屋を置き、その薄いトタンの屋根の端を摘んで引きちぎる。

屋根は簡単に引きさかれ、中からは郷田たち5人の小人が見えた。

「達也クンをイジメたのは、あなた達かしら?」
亜紀は手のひらの上の郷田に声をかける。

郷田は思いのほか大胆だった。 いや、状況を理解していないと言うべきか・・・。
「ちくしょう、このバケモノ女! 俺たちをどうするつもりだ!!」 叫ぶ郷田。

バケモノと言われ、カチンと来る亜紀。 虫の分際で何を言っているのか。 この不良はすぐに潰すのはもったいない。

亜紀は左手の上に郷田たちを乗せたまま、彼女の乳房の前に運ぶ。

右手でマリンブルーのビキニのブラジャーを引っ張ると、そのまま下へ降ろし始めた。

小人の郷田たちのちょうど目の前で....ゆっくりと、肌色のウルトラ超巨乳が露わになっていく。 ビキニのブラが限界まで引き延ばされる。

あっという間のことだった。

窮屈なビキニブラから解放され、おそらく片方だけでも数十万トンはありそうな・・・ガスタンクよりも巨大な乳房が、ぶるン..と波打ちながら飛び出す。

なんという巨大さ! あまりにも巨大な乳房!
 郷田たちは息をのむ。

「うふふ、後でゆっくり相手をしてあげるから、しばらく私のビキニブラの中に入って、遊んでいなさい」

亜紀は郷田たちを摘み上げ、そのままブラの中に楽々と放り込み、またブラジャーを元に戻す。

亜紀の巨大な乳房に密着する郷田たち。

かすかな悲鳴。

彼ら5人は亜紀の巨大な乳房とブラの中に完全に閉じ込められた。

もう自力では絶対に脱出できない。

すくっと立ち上がる亜紀。 

栄光に満ちたそのカラダ。

彼女のビキニブラの中で5人の不良たちが、もがき、あがき、悲鳴を上げて暴れていた。


非力な抵抗が乳首にあたり心地よい。



 

亜紀は達也のことを思い出す。 亜紀をこの地に呼び寄せた巨人族の血脈を持つ少年。 

彼を乗せた7階建てのマンションの屋上を見る。

亜紀は、彼女の巨人エネルギーを達也に与えてみる事にした。 亜紀の指先から輝く光が放たれる。




一方、こちらは達也。 マンションの屋上で彼は、ただ亜紀の姿を見つめていた。

突然、現れたビキニ姿の巨大美女が、普通に話をして、それから彼の通う高校の校舎をオッパイで押し潰してしまった。 楽しそうに・・・彼に見せつけて楽しむように・・・。

あまりに無茶苦茶な展開に思考がついていけない。

彼は現実逃避をする。

そうだ!! これは夢なのだ。

夢だ、夢だ!!

夢ならば別にどうなっても気にすることはない。 白日夢(ディドリーム)を見ているだけだ。

その時、彼は亜紀の放った不思議な光に包まれる。

すぐに達也は自分の体が火照ってきているのに気がついた。 着ている服を脱ぎたくなるほど熱くなり、汗が噴き出してきている。

心臓の鼓動が早くなり、めまいが起きて膝をつきそうになったその時。 達也の体に異変が起きた!

体中の筋肉がむくむくと大きくなり、シャツは背中で音を立てて裂ける。 残ったシャツのの袖の部分はこれもまた膨れ上がった上腕に引き裂かれぼろ布になる。

ベルトはせり出す腹筋の圧力に耐えられず千切れ飛び、ズボンもバリバリと音を立てて裂けていく。 爆発的なパワーを感じながら達也は雄たけびを上げる! すぐに全裸になる彼!

「ウオォォォー!!」

なおも巨大化する達也。 彼が屋上にいた7階建てのマンションは、その重みに耐えきれず押し潰される。

異変が収まったのか、達也はあたりの静けさを感じ取った。
達也は固く閉じていた目を少しずつ開いてみる。

「!?」




 


「わっ、な、なんだこれはっっ!!」

彼は混乱していた。 さっきまで…あんなに巨大に聳え立っていた彼女が、今では目の前で「普通の大きさ」になっている。

しかも、街が、こんなに…小さい!?

そして自分自身の肉体も変化していた。 どちらかと言えば小柄で華奢な肉体だったのだが、今の彼は男性モデルにもなれそうな引き締まった肉体になっていた!

崩れ落ちたマンションの残骸の上に裸足で立っているのに、少しも痛くない。 とんでもない強靭な肉体。

「どうかしら? 巨人になった気分は?」

…。
……。

亜紀は満足していた。 期待したように達也は自分と同じサイズの巨人になってくれた。 

亜紀は、そこにしゃがみ、道路を右往左往する車を一台、巨大な指でつまみあげると、達也の目の前に差し出した。

達也にとって、それは亜紀の指先にしがみつく、玩具のミニカーにしか見えない。 さっきまで、自分がこんなモノに乗る小さな存在だったとは、到底信じられない。

亜紀は、巨大な人差し指と親指をゆっくりと合わせ、その車を押し潰してみせる。 小さ過ぎて良く聞こえなかったが、中の運転手はクラクションを鳴らしながら、キーキーと最期まで叫んでいた。

車は、亜紀の指と指の間に消えてしまった。 

そう・・・自分は、選ばれた特別な存在。

人間とは隔絶された巨大な雄神に昇格したことを、達也は体で理解していった。

心から笑う、亜紀と達也。

彼女たちはこの世界の神になったのだ。

二人の体は、さらに巨大化していった。

…。



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