(警告) 18歳未満の方は読まないでください。

《 亜紀と達也 》 第16話

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(1年前の島で起こった出来事)

突然の巨大ビキニ娘の出現に、島は大混乱だった。

米国フォーグル社が提供する衛星写真の閲覧ソフトウエアでも、さらに巨大化する彼女の姿を確認できた。
世界各地の衛星写真を、地球儀を回したときのように連続する画像として閲覧することができるそのソフトウエアは、衝撃の光景をはるか上空から明確に記録していた。



 さらに巨大化・・・島が小さく見える。



船に乗って島を脱出していた人々もいた。
彼らは海の上から、自分たちの島のあまりにもあっけない最後を目撃する事になる。

四つん這いになって前進する彼女。
島の上空は巨大な彼女に支配される。

巨大女は自分のする事に何のためらいもないようだった。
直径200mもありそうな青い水着ビキニのオッパイ!
彼女はその巨大な乳房を島の上に降ろす。





巨人の胸が、ほんの僅かだけたわむ。
それが島の精一杯の反抗だった。

写真を見るだけなので音は聞こえないが、
山が崩れる低い音、岩が砕かれる高い音、そして地鳴り…、
様々な音のそれぞれが圧倒的なヴォリュームを持って、
見渡す限りの範囲にいるものを圧倒しているのだろう。

すぐに島の半分が粉々に吹き飛んだ。
衝撃で波が四方に広がり、逃げようと島から脱出した多くの船を沈める。
島の半分はくっきりと丸いクレーターになり、
そこに、恐ろしい勢いで海水が流れ込んで行く。

彼女は楽しそうに巨大な胸をゆすり、
島の無事な部分も、ゆっくりとすり潰していく。
少女が微笑むような無邪気な笑顔で・・・。



その後、巨大な彼女は海に入り1700mの巨体で、逃げる島民の乗った船のほとんどを沈めて姿を消した。

すぐに国連の救助隊と調査隊がランドウイ島のあった場所に到着したが、島は完全に破壊され、ずたずたの岩礁しか残っていなかった。巨人の女のあまりにも大きくて重い肉体に驚愕するしかない。
信じられない事だが、衛星写真やネットに配信された画像は事実を告げていた。船に乗り脱出して幸運にも生き残った島民の証言もある。真実と認めるしかない。

すでにネットでは、巨人女性の事を、
「ブルービキニ・ジャイアンテス」
「ウルトラグラマー」
「海の妖怪巨大女」

などの、各人が勝手な名をつけて呼んでいた。しかし、残された写真を確認すると、彼女の首にかけられていたネックレスに「AKI]と刻印されているのが確認された。
そのために彼女の名は
「Aki」と命名される事になる。

大破壊を起こした「巨人女Aki」。地球にこのような生物も巨大人型ロボットも存在する筈がないので、国連は彼女を地球外から来た宇宙人との判断をして「人類の敵ナンバーワン」と認定した。世界の平和を脅かす明確な敵が存在する。この事実に各国で協議してさらなる襲撃にそなえる事になった。

この後、国連は徹底した情報操作と報道の管制を行う。
「ランドウイ島の消失は海底火山の噴火によるものである」
「巨大な女が出現したという噂はフェイクニュース(虚報)であり、悪質なデマである」
「巨大娘の画像は誰かが悪戯で作った特撮映像だ」と・・・。
世界に混乱が広がらないようにするための必要な処置。

ネット時代に情報を管理する事など不可能と思われたのが、驚いた事に人々の多くが国連の発表を支持した。「巨人女など存在しない、あれは何かの間違いだ」 人間以上の存在がいるなど信じられなかったのだ。世界は安全を望んでいた。海に消えた「Aki」はそのまま姿を消し、やがて人々の記憶も少しずつ薄れていった。

そして今日、「Aki」がこの町に現われた。 恋人の巨人男性といっしょに・・・。



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