《 お兄ちゃんと私 禁断の小人契約 》 

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第5章 禁断の小人契約書


(妹の視点で)

お兄ちゃんが、だんだん大きくなっている。
どうやら私は小さくなっていないみたいだけど、これはヤバイ。
普通サイズになったら、お兄ちゃんは身長180センチ。
私の力ではとても敵わない。

ど、ど、どうすればいいの!?
慌てた私は身長30センチのお兄ちゃんを手の上に乗せ、目の前に持ち上げる。
もう、精液で手が汚れるとか言ってられない!
お兄ちゃんを目の前で観察する。やはり大きくなっている。
すぐに手の上に乗せておくのが難しいサイズになるだろう。
ヤバイ! お兄ちゃんに怒られる。メイちゃん大ピンチよ。

その時、私は奇妙な行動をする。
手の上のお兄ちゃんに呪文を唱える。
「お兄ちゃん、小さくなあれ、小さくなあれ、萌え萌え〜」

ほとんど、やけくそで唱えていた。何の意味もない「呪文」だった。
ところが、驚いた事にこれが絶大な効果を発揮した。
大きくなりつつあったお兄ちゃんが、たちまち小さくなる。
30センチの身長が15センチくらい。



「お兄ちゃん、小さくなあれ、小さくなあれ、萌え萌え〜」

さらに、さらに小さくなる。ついには私の小指の先くらいの小人になってしまった。



よかったああああ、これで、お兄ちゃんに仕返しされる事はないわ。
私が巨人のままね。
さて、これからどうしようかしら?少し冷静になろう。

この部屋はSMプレイをするための部屋なので、私もおかしくなる気がする。
あまり長くここにいると危険だと思う。はやくここから逃げよう。
ドアを開けて、赤い色のSM部屋から外に出る。
部屋の外は意外にも、美しい庭園だった。



100分の1サイズくらいになったお兄ちゃんは怯えている。
あまりにも巨大な私が怖いのね。
ふふ、潰したりなんかしないわ。メイはお兄ちゃんが大好きなんだから。

えっと・・・状況を再確認しよう。
現在の状況は・・・。

@私は夢を見ている。そして夢なのに自分の意思で行動している。
A今までの行動から、お兄ちゃんも私と同じ夢を見ているらしい。
B夢から醒めたら、お兄ちゃんが怒るかもしれない。それは困る。
Cかと言って、お兄ちゃんを本気で潰してしまうのは可哀そう。
D私は小さなお兄ちゃんと、ずっとずっと遊んでいたい。

この状況だと、いったい、私はどうするべきなの??
子供の時からいつも同じ、困った時はいつも私はそうしてきた。
「お兄ちゃんに相談する」 それが困った時の私の行動。
私は自分の思いを、正直にお兄ちゃんに話す。
それに対するお兄ちゃんの返事は、私が予想もしないものだった。

お兄ちゃんと私で「正式な契約書」を作ろうという提案だった。
そういう内容の契約をすれば、お兄ちゃんが私を裏切る事はないと言う。
はあ・・・何を言っているの??
契約書も何も、巨人と小人に契約など存在しない。
ただ力が強い方が勝つというだけ。
どちらかが強くなれば、どんな約束だって一方的に破棄されてしまう。

お兄ちゃんが指さす方向を見ると、そこには野外のガーデン用テーブルセット。
机の上に、私が読める人間サイズの
「契約書」が置かれていた。
誰がいつの間に用意したのかしら?

設置されていた椅子に座り、小さなお兄ちゃんを机の上に置きそれを読む。
契約書の内容は次のような記述だった。

 
  〜 小人契約書 〜


妹であるメイ様(以下、女神)と、兄である隆(以下、小人)は下記のように「小人契約」を締結した。

(それぞれの権利と責務)

@ 女神は小人を好きな時に小さくして、自分の欲望を満たすためだけのオモチャとして小人を使用する権利を有する。

A 女神は小人が忠実な場合、小人の命だけは助けると誓うこと。

B 小人は女神を永遠に崇拝し、たえず女神の喜ぶ事をするように努める

C 小人は女神と2人きりでいる時は、必ず裸にならないといけない。

D 小人が小さくなった時、すぐに潰れてしまったら女神が楽しめないので、女神の超能力によって、小人は自らの肉体を強化する事が許される。

E 小人も社会生活をしなければならないので、日常は普通の人間サイズでいる事は許される。しかし、この時に女神に暴力をふるったり、反抗的な態度をとる事は許されない。

F 小人は人間サイズでの生活が許されるが、女神以外の女性と交際をしない。 特に同級生の夏子先輩とは、すぐに別れること。

G 小人は女神の力の秘密を他者に言ったり、文章・ネットに書き込む事はできない。 

H 女神は自分の意思で契約内容を変更、破棄できるが、小人側から本契約の変更も破棄もすることはできない。

I 女神はいずれ都市を踏み潰すくらい巨大な肉体になるが、その時でも小人は女神に忠誠を誓い、女神は小人を保護しなければならない。

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 上記合意の成立を確認するため、本契約書2通を作成し、署名の上、女神・小人各1通を保有するものとする。

西暦2035年 6月9日
女神         (署名)
小人         (署名)

「何なの、これは〜!?」 という内容。
いったい誰が、こんな文章を書いたのかしら?
特にIの項目、私が巨大になるって、どういう事!
しかし、私はこの契約書に不思議な安心感をもつ。
とにかく、状況は、
*夢から醒めたら、お兄ちゃんが本気で怒るかもしれない。それは困る。
*かと言って、お兄ちゃんを潰してしまうのは可哀そう。
*私は小さなお兄ちゃんと、ずっとずっと遊んでいたい。
この条件を継続するには、この契約書を双方が守るしかない。

契約書は同じ内容で2枚ある。
私たち2人が持つためのものらしい。

巨大な私とお兄ちゃんは、内容に双方合意する。
私は契約書に自筆で署名する。
お兄ちゃんは小さくてペンを持てないので私が代筆する。

さぁ、これで、私たち兄妹は新しい関係になった。
私は小さなお兄ちゃんを手の上に乗せる。
とっても楽しい。私は心の底から笑う事ができた。



ぼんやりと意識が薄れていく。
どうやら夢から醒めて、現実世界にもどっていくようだ。
しかし、私は知っていた。夢から醒めても、この小人契約は有効なのだ。
お兄ちゃんは小人になって、永遠に私のオモチャになるのだと。



(続く)


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