《 モンスターハンター・ゾルバの思い出 》

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 よっこらしょ、と。 さぁ、わしの可愛いペリカン達よ、

 今日は大きな魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるからな。

 しばらくそこで、待っておれ。



 しかしなー、魚が釣れるまで少し時間があるじゃろう。

 退屈だから、わしの思い出話でも聞かせてやろうかい。

 わしがプロボクサーのチャンピオンになった話はしたかいのー。



 そうそう、それで
大きな女の子と闘って敗北し、わしは引退した。

 しかしのう、わしの心の中にある闘争本能の火は消えていなかった。

 わしが敗北したのは、相手が女の子だったからだ、
可愛い女の子と、わしは本気で闘う気にならなかった、だから負けたのだ、

 そういうふうに考えての。

 それで、わしは新たなる敵を求め、モンスターハンター(怪獣狩人)になった。
この時、地球温暖化の影響で、地球上に怪獣が出現していたのじゃ。

 あぁ、思えば多くの怪獣と闘ったなぁ・・・、

 このわしの戦いの日々・・・。

 つらい事、苦しい事もあったが、

 あのころのわしが、人生の中で一番輝いておった。

 仲間といっしょに、アフリカで
大野獣パンダランと闘ったこともあったなぁ。



 パンダランの奴、車に乗って逃げても、何処までも追いかけてきおったわい。

 いやー、あん時は死ぬかと思った。

 
海の怪魚シーラゴンスと一騎打ちをしたこともあるのじゃぞ。



 モンスターハンターのゾルバ
と言えば、知らぬ者はおらんかったな。

 そんなある日のことじゃった、

 たまたま通りがかった草原で、彼女の後姿を見たのは・・・。



 さすがのわしも驚いたよ。

 
彼女は、すんごく大きいのじゃ!

 信じられるかな、普通の男性の20倍以上もの大きさがあるのじゃよ。

 ・・・恋人なのだろうか、彼女は若い男の横に座っておった。
後姿しか見えなかったが、二人は楽しそうにしておったよ。

 なんと・・・羨ましい・・・あんな大きな女の子と恋人になれるとは・・・。

 その時、わしは気がついたのだ、

 
わしは・・・「巨大な女の子が好き」なことを。

 そう、わしは大きな女の子にかまってほしかった。 認めてほしかった。
だからこそ、自分が彼女より強くなりたいと願ってきたのだ。

 真実を知ったわしは決意した。

 強くなって、必ず大きな女の子に勝利してみせると・・・。

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 そうじゃな、わしの可愛いペリカン達よ、

 魚が釣れるまで、まだ時間がありそうだから、 今日は特別に、

 わしが
巨大な女の子と闘い勝利するため修行をした日々の話を聞かせてやろう。

 まぁ半日もあれば、最初の修行の話くらいできるじゃろう。

 これはめったに聞かせぬ話ゆえ、心して聞いてくれい。



ペリカンA 「おっちゃーん、エサ、マダー」

ペリカンB 「ハラ、ヘッター シヌゥー」

 こら、お前ら、人の話を聞いとらんな。

 あー待っておれ、今、魚をいっぱい釣って、たらふく食わせてやるから。


 (おわり)


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