《 合格発表の日 》
----------------------------------
先輩が東京の大学を受験したの。
今日はその合格発表の日。
誰にもナイショなんだけど、私、先輩のこと大好きなの。
きっと先輩は大学受験に合格しているわ。
だって、とっても頭がいいんだもん。
それにしても、先輩はいつまで待っても帰ってこない。
・・・気になるわ。 ちょっと合格発表を見に行こうっと。
@@@@@
あぁ、ここが先輩の受験した大学ね。
中に入ってみよっと。
あ、「合格発表の掲示板」があったわ!
ええっと、確か先輩の受験番号は260番だったわね。
ちゃんと覚えているのよ。
260番、神様! お願い、先輩が合格していますように!
え、なに、なに、一人だけが失格・・・??
に、にひゃく・・・ろぉくじゅうばぁぁぁぁぁん。
先輩だけ失格、しっかくうぅ。
そ、そ、そ、そんなあー う、うそ、嘘ーやだ〜、信じられない。
これは何かの間違いよ!
1200人も受験生がいるのに、先輩だけ合格しないなんて。
@@@@@
それっきり先輩は行方不明だ。
先輩はきっと悲しみの中で、何処かの町を彷徨っているに違いない。
ひ、ひどい・・・。 どうしてこんな事になったの。
きっと東京の大学がイジワルをしたのよ。
私の愛する先輩に、そんな事をするなんて、
東京って、なんて悪い町なんでしょう!
悪い東京には、私がお仕置きをしてあげなくてはいけない。
そのためには力が必要だわ。
私は、私の本当の力を使うことにした。
いけないって、分かっているの。
でも、私はもう自分の感情を抑えられない。
夕焼けのエネルギーが、私の体に満ちてくる。
私の体がどんどん大きくなっていく。
もう・・・人には戻れない。
身長17000mの巨人になった私が、東京を襲撃したのは、それから3日後のことだった。
(終わり)