《 願い 》
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男がいた。
彼は恋をしていた。
しかし、彼女は別に男のことをなんとも思っていなかった。
それで彼はただ彼女を見つめるだけだった。
そんなある日、彼女が病に倒れた。
病は重く、彼女はもう後、数ヶ月しか生きられない。
それを知った男は、あまりのショックに呆然とした。
彼女を助けたい、どんなことでもする! 彼はそう願った。
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そして、ここは夢の中・・・男は異世界を旅していた。
銀の気球船に乗り、夜の川を渡り、炎の山を越えた。
長い旅路の果てに男は妖精王に出会った。
願いを叶えてくれるという伝説の妖精王。 男は願いを言う。
男 : 「妖精王様、彼女が病気なのです」
妖精王 : 「それがどうかしたのか?」
男 : 「もう後、数ヶ月の命なのです」
妖精王 : 「運命なのだ、諦めろ」
男 : 「お願いです、彼女の命を救ってください」
妖精王 : 「病に蝕まれている、助けるには誰かが自分の肉体を犠牲にするしかない」
男 : 「それでは、僕の体を使って、彼女を助けてください」
妖精王 : 「お前、その言葉の意味が分かっているのか?」
男 : 「彼女が健康になってくれれば、僕はどうなってもかまいません」
妖精王 : 「汝の願い、聞きとどけた」
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信じられない激痛の中、男の体は切り刻まれた。
それを使い、彼女の肉体は再び健康を取り戻した。
男はほとんどの体を失ったが、何とか生き残った。
そして、妖精王が、彼の献身を彼女に教えたらしい。
元気になった彼女は、自分を助けてくれた男に心から感謝した。
そして、それはいつしか恋へと変わった。
彼女は今も彼と暮らしている。
自分のために肉体のほとんどを失い、身長7cmとなった愛しい彼といっしょに・・・。
そして今日も、巨大な彼女と小さな恋人の甘い夜が始まる。
《終わり》