《 ジュピターの午後 》 1

               CG画像 June Jukes
               文 みどうれい

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 澄みきった青い空。 空の色が輝いて見える。
まるで、この美しい私を祝福するかのように。

 すばらしく心地よい。誇らしい力が漲る・・・
巨大な肉体。

 そう、私の名前はセーラー・ジュピター。



 学校の校舎を見下ろし、美しくそびえ立つ私!

 私はセーラー戦士、大切な仲間たちといっしょに悪と戦い平和を守る。それが私の使命。だから私には力が必要なの。そして今、私はその力を手に入れた。

 私って幸運ね、そう、今年はすごいの!木星大接近の年!

 世間のみんなはオリオン座流星群って騒いでるけど、私にとっては木星の方が大切なの。だって私の「守護星」なんですもの。

 木星大接近と言ってもただの距離的な接近とは違う、うまく言えないけど、木星の持つ巨大エネルギーの流れが一番地球に流れ込む年なの。

 「木星」は12年ごとに地球に接近するけど、今回の大接近は、特にパワーを感じる。 どうやら数万年に一度あるかないかの特別な年みたいね。 こんなチャンスに出会えるなんて、私って超ラッキー!

 ここ数日、素晴らしく爽快な気分、全身に満ち溢れる力。心も体もリフレッシュ。 私の中で何かがはじけた。抑えきれないパワー!

 そして今日、その力が頂点に達した。もう我慢できない、授業中だけど、私は先生の許可をもらい「保健室に行く」と言って教室の外に出る。私はそのまま校庭に飛び出し、木陰で叫ぶ。

「ジュピター・スーパーパワー!メイクアップ!」
 輝く光に包まれ、私はセーラー戦士へと変身する。

 私の体の中に宇宙空間から「木星の超エネルギー」が流れ込んでくる。
力がさらに漲る、誰に教わった訳でもないのに私は叫ぶ。

 
「セーラージュピター・ジャイアント!!」

 私は学校で、もりもりと大きくなる。セーラー戦士の誰も持たない、私だけの新たなる力。巨大化能力!

 今の私の身長は50mくらいかしら、もう誰にも負けない。
木星の質量は、太陽系の木星以外の惑星全てを合わせたものの2.5倍もある。 地球と比較しても質量は318倍、直径は11倍、体積は1,300倍!

 その木星の力を手に入れた私がどれ程強いのか、自分でも想像できない。もうどんな妖魔がやって来ても、私の勝ちね。だって、私はこんなにも大きくて強いんだもん。

(続く)



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