《 ジュピターの午後 》 2
CG画像 June Jukes
文 みどうれい
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地面を見下ろす。あんなに大きかった校庭が狭い。ものっそい狭い。畳6畳くらいの大きさしかない。この運動場は災害時の緊急避難拠点としても使われていたわね、私一人で占領してたら困るかしら?
私の足元にいた生徒たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。体育の授業中でサッカーをしていたらしい。巨大な私に驚いている。 本当に小さい、まるで虫みたい。地面の彼らはすぐに校舎やプレハブの部室の中へと避難する。
行動が素早いわね。まぁ、この街はよく妖魔が出現して悪さをするから、みんな逃げ足が速くなるのも当然かな。
でも私は妖魔じゃないわ、そんなに慌てなくていいわよ。私が大きいから、踏み潰されてしまうと思ったのかしら?
あはっ、弱虫ね。そんなコトしないわよ、だって私は正義のセーラー戦士。あなた達を守ってあげるのよ。
大勢の生徒と先生が、物陰や校舎の中から私を見上げている。地面にめり込む私の巨足を見て驚いている。私の口元が自然にほころぶ。嬉しくてたまらない。私は本当の自分になったのだ。
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