《 ジュピターの午後 》 3
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私は校舎に目をやる。腰までの高さもない。こんな小さな物の中で自分が勉強していたなんて信じられない。
しかも、ものっそい弱そう。今の私なら片足の一蹴りでこの建物を粉砕できると約束するわ。
建物の中を覗き込んでみる。いるいる。小さな先生や同級生のみんながひしめいている。 先生はこんなに大きな私を見たらどう言うのかな。まぁ、文句は言えないよね、だって私は正義の味方なんだもん。
そう言えば、先生は優しいの、私が「この学校の制服はサイズがあわないから」 って言って、前の学校の制服を着ていても、自由にさせてくれてたわ。
先生、授業の邪魔してゴメンナサイね。だって、私はどうしても大きくならないといけなかったの。そう、正義のために・・・。
さてと、私の教室はどこかしら。ここかな?窓を指でつついてる。あっ、クラスメイトのみんなが騒いでいる。窓から覗く私の大きい顔を見て驚いている。大混乱ね。思わず笑ってしまう。
こんなちっぽけな人間達と、この偉大なる私がいっしょに暮らしていたなんて、不思議な気分。
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