《 カンガルーの旅 》 (後編)
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巨大女が出現!!
その報告を聞いたカンガルーは戦いを決意した。
そう、地球最強の存在と称される巨大女と戦うことができるのなら、
自分の未来を見つけることができるのではないか?
今こそ苦しい特訓の成果を見せる時だ。
戦いの決意を告げる。 ボクシング山田師匠も最初は止めた。
「巨大女を倒すなど、いくらなんでも無理だ」 師匠はそう言った。
しかし、最後には、カンガルーの強い意志を理解してくれた。
山田師匠に借りたマウンテンバイク!
カンガルーは駆ける。
戦いこそ我が人生! 待っていろ、巨大女、今、俺がやっつけてやる。
さぁ、この丘を越えれば、町だ。
おぉ、あれが巨大女だ!!
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴオオオオオンン!!
うひょー、あんなのには勝てませんわ。
カンガルーは戦わずして降参した。
そう・・・この世の中には、いかに努力しても、到達できない至高の境地が存在するのだ。
しかし、カンガルーはまだ闘志まで失っていなかった。
ゆっくりと立ち上がる。 遠い空を見上げる。
カンガルーは姿を消した。 行方を知っている者は誰もいない。
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3年の月日が流れた。
湖面を走る不思議なカンガルーの姿が、その地を訪れた観光客に目撃されている。
水面で足が沈む前にジャンプして、さらに前に進む。・・・伝説の忍者走り。
この技を体得するまでに、いったい、どれだけの努力があったのだろうか?
そう、あのカンガルーは生きていたのだ。
そして、このままでは終わらない。 厳しい修行の日は今日も続く。
強くなりたいと願ったのだから。 再び羽ばたく。 誰よりも高く、空へと。
いつか、またカンガルーの戦いを語る日が来るだろう。
(カンガルーの旅 終わり)