《 きつねの兄弟物語U 》 非常食があるから大丈夫
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我ら、きつねの兄弟!
森に生きる誇り高き狩人(ハンター)。
厳しき自然の中でもくじけない、兄弟で力を合わせれば恐れるものなど何もない。
自然界には、たまにとんでもないコトが起こる。
今日はお山に巨大娘様が出現していた。
狐はとても勇敢な狩人だ、それでも、さすがに巨大娘には勝てない。
なにしろ巨大娘は山を動かすほどの力があるのだから。
こんな時は無理をせずに、木陰に隠れて様子をみます。
兄きつね : 「弟よ、今日は狩りに行けそうにないな」
弟きつね : 「心配ないよ、非常食があるから大丈夫だよ、兄ちゃん」
兄 : 「非常食、なんだそれは?」
弟 : 「いつでも食べられるのだけど、必要な時まで置いておく食べ物だよ」
兄 : 「なに!! そんな便利なモノがとってあるのか」
弟 : 「うん、だから狩りができなくても、何も心配しなくていいんだ」
兄 : 「うぅ、お前がこんなに賢いとは、俺は嬉しいぞ」
弟 : 「にいちゃんに喜んでもらえるなら、ボクは幸せだよ」
兄 : 「・・・・・・」
弟 : 「・・・・・・」
兄 : 「念のため聞いておくが、その非常食とやらは、まさか俺の尻尾じゃないだろうな?」
弟 : 「あれ〜どうして分かったの?」
兄 : 「お前な、しまいに本気で怒るぞ」
(きつねの兄弟 終わり)