《 ワニの旅 》

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(ワニ)

 あぁ・・・ヒドイ目に遭った。

 人間の銃で撃たれるし、巨大女に踏み潰されそうになるし・・・

 俺がいったい何をしたって言うんだい。

 ただ俺は美味しい肉を、腹一杯喰いたかっただけなのに。

 あぁ、蝶だけが俺の心を慰めてくれる・・・。




 あぁ、鳥の野郎は、もういない。何処かに飛んでいってしまった。

 巨大女にはさすがに勝てないし、あの大股には追いつけない。

 しかし、しかし、このままではワニの心がおさまらん。

 せめて、俺に銃を撃ったあのハンターだけでもやっつけてやる!!

 そう戦いこそ、ワニの全て、ワニの生きる道!

 行こう、行こうよ、戦うために、そう・・・人間の町へ。

 銃が危険だと分かっている。人間が恐ろしいと知っている。

 それでもワニは行かねばならない。 逃げることなどできないのだ!


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《そしてここは人間の町、ハンターの家》

ワニ : 「ごらぁー、ハンター、このドア開けろーー!!」



ワニ : 「わざわざ戦いに来てやったぞ、俺と勝負しろ!!」




(ワニ) あれ? 待てよ・・・この展開は家に入ったら、また巨大娘が出てきて家ごと踏み潰されるとか・・・。


 突然、轟音と共に地面が大きく揺れる。

ズズズウウウウウンン!!!!

ワニ : 「ま、ま、ま、まさか」

ゴ・ゴ・ゴウウウンン!!!!


 ここで何の説明もなく、町に巨大娘が出現!





 
大地が震撼する! 空が割れる!


ズズズウウウウウンン!!!!


 幸い、
巨大娘はまだはるか遠くにいた。

 ワニは逃げた、川に飛び込み、必死で逃げた。





 残念な事に、今回の戦いはワニの完敗であった。

 しかし、ワニは負けない。

 ワニこそは、はるか昔の恐竜の時代から生き抜いた水辺の王者なのだから。

 負けるなワニ! 戦えワニ!

 明るい未来が待っている。


(ワニの旅 終わり)


 (寸感) 話の展開に無理があるというつっこみは禁止されています。


 
 ↓
ワニさんに愛の拍手をください。
       




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