《 決戦 猫 VS 犬 》 前編


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 俺の名はニャン・ギャバン。

 大勢の子分猫を従える猫組の親分だ。

 

 最近、ちょっと気になる事がある。 犬どもが礼儀を知らぬのだ。

 先日も、俺が公園のベンチで昼寝していたら、犬の野郎が踏みつけていきやがった。



 このヤロー、何しやがんだよ。

 何も、わざわざベンチの上に登って踏んでいくコトねーだろうが。

 昼寝の途中だったから、体がうまく動かない。
その間に犬はさっさと逃げてしまった。 おのれ〜、許さん、許さんぞ!! 

 幸い、部下猫はいなかったからよかったものの、
こんな姿を見られたら猫親分の沽券にかかわるところだった。

 猫と犬、どちらが優れた存在であるか、誰もが知っているように猫の方がはるかに優れた存在なのだ。
その事を犬は理解していない。

 こうなったら、この猫親分自らが出陣し犬どもを成敗してくれるわ。
大きなシャボン玉でさえ一瞬で粉砕する
「必殺技・猫キック」を使う時が来た。

 

 仲間に事情を話せば、喜んで俺といっしょに犬と戦ってくれるだろう。
しかし、可愛い子分に怪我をさせる訳にはいかん。 戦いは俺、一猫(ひとり)で行こう。

 この猫親分の実力を犬たちに見せてやるのだ。




 と・・・思ったのだが、うちの譲ちゃんが俺をマクラにして眠ってしまった。



 犬との戦いに行きたいのだが、俺が動けば譲ちゃんが起きてしまう。

 あぁ、譲ちゃんの手は暖かいな・・・。

 こうしているのも悪くはない。

 まぁ、今日のところは犬と戦うのはやめて、譲ちゃんの枕になってやるか。



(終わり)


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