《 誕生日ケーキが・・・ 》
 後編

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  20歳に若返った俺は喜びに震えていた。
これで人生バラ色だ。 この若い肉体で明日から楽しい日々を過ごそう。

 と思ったら、たいへんな事に気がついた。 金がないのだ。
長生きをすると色々と物入りで貯金はほとんどない。 いかん、これでは遊ぶこともできん。

 そうだ、妖精王サマに金をもらおう。それがいい。
俺は再び異世界に行き、妖精王にお願いした。

男 : 「妖精王様、若くしていただき本当に嬉しいです、有難うございました」
妖精王 : 「・・・それはよかったな」



男 : 「でも困ったコトがあります。お金がないのです」
妖精王 : 「・・・健康な肉体を与えた。自分で働いて金を貯めるがよい」

男 : 「働いている時間がもったいないです。妖精王様、お金をください

妖精王 : 「金とは自らが汗して働いて貯めるからこそ、尊いのだとは思わんか?」

男 : 「そんな、しょーもないクソ説教を聞きに来たのではありません。はやく金をください
妖精王 :
「ふむ、まぁよい、その厚かましさが気に入った。お前に大金を与えよう」

男 : 「あ、有難うございます。妖精王様」

@@@@@@

 ふと気がつくと俺は自分の部屋に戻っていた。 机の上には札束の山!!

 おぉ、すばらしい!! これだけあれば、一生、遊んでくらせる。 笑いが止まらん。ぬはははは。

 

 しかし・・・何か忘れているような気がする。

 そうだ、今日は俺の誕生日だった。
ケーキが燃えてしまって中断したが、もう一度、誕生日のパーティをやるのだ。

 そ、それにしても困った。長年連れ添ったばあさんは天に召された。
誰か可愛い女の子といっしょに誕生日を祝いたい。

 そうだ、どうせなら
世界一のケーキ世界一の彼女が欲しい。
そう考えた俺は、妖精王サマにお願いに行った。

男 : 「妖精王サマ。お願いがあって来ました」
妖精王 : 「なんだ、またお前か。本日3度目だぞ(汗) 健康な肉体と金。これ以上何を願う」

 

男 : 「今日は私の誕生日なのです。でもケーキは燃えてしまい、祝ってくれる恋人がいません
妖精王 : 「ケーキは自分で作るか店で買ってこい。 そして恋人くらい自分で見つけろ」

男 : 「今すぐ誕生日を祝いたいのです、世界一のケーキ世界一の彼女をください!!」
妖精王 :
「汝の願い、聞き届けた」

 

 あぁ、妖精王サマは今回も願いを叶えてくれた。

 おや、ここは何処だ?

 な、なんだ。 うわー!
巨大な手がぁああ!! マッチの火が熱い!

 

 お、俺は巨大なケーキのろうそくの上に乗せられているのか!?

 ちょ、ちょっと妖精王サマ、これはいったいどういうコトですか? 

え、「世界一大きいケーキ世界一大きい彼女」を用意したですって。

 それで彼女が今、誕生日ケーキのろうそくに火をつけようとしているですって?

 いえ、あの私は「世界一の彼女」と言いましたけど、「世界一大きい彼女」とは言ってないです。

 あ、熱い。巨大なマッチで俺の体が燃え尽きてしまうううう!!!

 

 妖精王サマ! これは困ります。 元に戻してください!。

 え、何ですって、「元に戻すというのがお前の願いなのか」ですって?
そうです、巨大娘のマッチで燃えてしまうなんて冗談じゃありません!

 えっ「それでは時間を過去に戻してやろう」ですって、有難うございますううう!!


@@@@@@


 あぁ、妖精王サマの魔力で時間が過去へもどる。

 巨大娘とマッチの火も見えなくなった。 いつものように自分で誕生パーティをしよう。

 えっと・・・それで今年、わしは何歳になったんかいの〜。

 これだけではろうそくが足りんかの。 後、50本くらい足して火をつけよう。

 あぁ、燃える。 も〜え〜る。

 誕生日ケーキが燃えている。

 誕生日ケーキが燃えている。  誕生日ケーキが燃えている。

 


 (終わり)

 
この物語はフィクションです。


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