《 硝煙の彼方に 》 U



----------------------------------




 ゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴ



 
轟音が響く。

 
大地が震動で揺れる。

 兵士達が、ありったけの声で叫ぶ。


 
「撃て!! 撃て!!」

 「畜生!! 効いてねえぞ!

 「くそ! 空自に支援を要請しろ!」

 「退避ぃー! 退避しろおおお!!」

 「うわああああ! 震動で動けん!」



 戦車砲の集中放火が、大気を焼き焦がす。

 地上からの視界は、煙と炎で、ほとんど見えない。

 世界が鳴動してた。

 そして・・・
硝煙の彼方に、かすれて見えるのものは・・・、


 あまりにも巨大な少女の体。



 今、防衛隊の精鋭、第6戦闘ヘリ部隊、第8戦車部隊は、あらんかぎりの火力で、
地面に寝そべった巨人、由梨香の股間を攻撃していた。









 由梨香は、防衛隊の心地よい攻撃をうけながら、さっきまでのことを思い出していた。

 彼女は街中で、突然巨大化したのだ。
今の彼女は、身長が800メートル以上もあるだろう。

 地面の上を逃げ惑う人々は、彼女にとって蟻ほどの大きさにも見えなかった。
由梨香は、自分が何故、巨大化したのか分からなかった。

 どうでもいいことだった。

 彼女には、これが
夢の世界のように思えた。
夢ならば、好きなことをしても、誰にも迷惑はかけない。

 彼女はしゃがんで、足元のビルに軽く触ってみた。
驚いたことに、頑強な高層ビルは、まるでウェハースで造られていたかのように崩れさる。

 やはりこれは夢に違いない。
楽しくなった由梨香は、街中で寝転がって、その巨体でビルや家を潰しまくった。


 そのうちに、体の下の方で、なにやらパンパン音がするのに、彼女は気がついた。

 何かしら? そう思った由梨香が、地面の上をよく見ると、
豆粒くらいの大きさの戦車が、シャープペンの芯程の砲身を上に向けて、
ほとんど見えないくらい小さい砲弾を、彼女にむけて発射していた。

 顔を上げると、蚊トンボのようなヘリコプターが飛んでいるのも見える。
これまた小さなミサイルを、彼女に撃っているようだ。


 
そう、街の平和を守るため、ついに防衛隊が出動してきたのだ!!


 砲弾は彼女の裸の肌に命中する。
彼女が巨大化した時に服が破け、彼女は全裸になっていた。

 しかし、攻撃は、彼女にとって痛くもかゆくもない。
なにか当たっているのかなと、ほんの少し感じるくらいだ。


 由梨香は笑ってしまった。

 蟻よりも小さい彼らが、巨大な彼女を倒すことなどできるわけがない。
少し考えれば分かりそうなものだろう。

 今、彼女が立ち上がって、足でどんと踏みつければ、戦車部隊を壊滅させることなど簡単だ。
小さなヘリコプターも、片手で叩き落すことができるだろう。

 だがそれでは、あまりにも、あっけなさすぎる。
もっと楽しまなければ面白くない。


 彼女は寝そべったまま顔を彼らに向け、話しかけた。

巨大な彼女の声は、兵士達の体を震わせる程の音量があった。



「あらあら、防衛隊のみんな。 この私と遊びたいのね。
それとも本気で、由梨香を倒せると考えているのかしら?
蟻さんみたいなあなた達が・・・、 そんな、ちっぽけな武器で?
あーはっはっはっはっ、 由梨香、笑っちゃうー。



 
大笑いする由梨香の態度に、兵士達は頭にきた。

 しかし、実際に彼らの攻撃は、巨大な彼女にはなんの効果もない。
彼らはどうしてよいのか分からず、攻撃の手を止めて、彼女の話を聞く。


「でもせっかく、みんな頑張っているんだから、
特別に由梨香の弱点を教えてあげるわ。
あん、恥ずかしい・・・、 私の弱点は、ここなのよ。」



 彼女は大きく股を開き、彼女の大事な処を、戦車部隊の兵士達の前に見せつけた。

 ビルよりも大きな彼女の秘部は、ピンク色の肉襞が大きく開いていた。
彼女が興奮しているためか、そこからは愛液が泉のように湧き出していた。


「ここをやられたら、由梨香も、たちまち降参しちゃうだろうなー、 なんちゃって。」


 
もちろん、由梨香は、ただ彼らをおちょくって言っただけだ。

 しかし、驚いたことに、彼女の股間に向けて、戦車砲の一斉射撃が開始された。

 91式戦車隊は120mm滑腔砲とロケット弾を、彼女の大事なところにむけて撃ちまくっていた。
すぐに、戦闘ヘリもミサイル攻撃を再開する。


 どうやら、彼らは、彼女の体の「最も柔らかい部分」に攻撃を集中させる作戦らしい。

 由梨香は呆れかえってしまった。

 冗談で言っただけなのに、まさか本気にするとは思わなかった。 
全くお笑いでしかない。


 しかし、そこは彼女の体の中で、一番敏感な部分でもあった。
そして驚いたことに、彼らの攻撃はとても気持ちがよかったのだ。

 彼女の股間から愛液がとめどなく溢れ出し、川のように地面を流れる。
ぞくぞくするような快感が、彼女の大事な部分から全身に走る。



「あ、あふうぅ、 すごく気持ちイイッ。」




意外な楽しみを見つけた由梨香は、地面に寝そべったまま悦びの声を上げるのであった。













目次に行く 戻る めくる