《 妹は巨大少女 》
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ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「な、な、何だ・・・?」
俺は、信じられない光景を見ていた。
巨大な女の子が、地面に座り込んでいる。
大きな手が、地面に伸ばされてくる。
俺はどうすることもできずに、ただ呆然と、道に立ちすくんでいた。
俺はぼんやりと、今朝のことを思い出していた。
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俺の名前は山之辺隆一、22歳、出版会社に勤めている。
その日、俺は「営業に行く」と言って会社を出て、家に帰ろうとしていた。
何だか分からないが、いやな予感がする。 すごく・・・不安だ。
俺には夏美という少し歳の離れた高校生の妹がいる。
俺と夏美はとても仲が良い。
兄の俺が言うのも何だが、夏美はとても可愛くて頭がいい。
その夏美が、今朝「頭が痛いので学校を休む」と言っていた。
俺は「医者に行った方がいいぞ」と言って家を出たのだが、どうも落ち着かない。
心配になった俺は、携帯で家に連絡してみたが、電話には誰もでない。
それで結局、俺は仕事をおいたままにして、家に帰ることにしたのだ。
そして、帰宅途中の俺は、家を目の前にして巨大な女の子を目撃した。
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俺は目の前の光景が信じられなかった。
山のような大きさの女の子が、地面に座り、道路のトラックに手を伸ばしている。
彼女から見れば、大型のトラックさえ、玩具のサイズだ。
彼女の身長は、ゆうに200mは超えているだろう。
運転手は、恐怖に叫びながら、逃げ出していた。
ここからは見えないが、彼女の尻の下敷きになっていくつかの家が潰されているだろう。
これは夢に違いない。
こんなことがある筈はない。 俺はそう思った。
彼女は裸だったが、別に気にしていないようだった。
俺は、ただ呆然と彼女を見つめた。
「あ、兄さん。」
その時巨大な少女が俺の方に目を向け、嬉しそうに言った。
「え、え、??・・・??」
驚く俺の前に、薄ピンク色の巨大な手が伸びてきた。
信じられない大きさだ。 空が見えなくなる。
俺は、彼女の指の爪ほどの身長さえない。
「うわああああーーー!!」
俺は初めて恐怖を感じ、叫んだ。
巨大娘は、太い指で俺を摘み上げた。
ものすごい力だ。 全然抵抗できない。
夢を見ているような気がしていたのだが、これは紛れも無く現実だ。
この指なら、俺を簡単に捻り潰すことができるだろう。
「たっわっわぁああ、たっ、助けてくれー!!!」
俺はあらん限りの声で、叫んだ。
しかし、俺は潰されることなく、何か弾力のあるものの上に降ろされた。
なんということだ、そこは巨大な手のひらの上だった。
驚いたことに、巨大な手は、俺の家の敷地よりもずっと広かった。
この時には、ようやく俺も気がついていた。
信じられないことだが、この巨大娘は、俺の妹の夏美なのだ。
あまりにも大きすぎて、すぐには分からなかった。
巨大化した夏美は、おそろしく美人に見えた。
「な、な、・・・、夏美なのか?」
俺は、目の前にあるビルの看板よりでかい夏美の顔を見つめた。
「そうよ、兄さん。」
夏美は、俺を見つめながら返事をする。
俺の驚く様子が可笑しかったのか、くすくす笑っている。
そんな・・・こんなことがあるはずがない。
今朝俺が家を出る時、夏美は、家で寝ていたのだ。
それが何でこんなに大きくなるのだ。
いったい、何があったのか??
「どうしたんだ、夏美、なんで・・・、そんなに大きく・・・なったんだ?」
巨大な夏美は、俺を手のひらの上に、乗せたままで言う。
「それがさー、よく分かんないの、
頭痛がするから家で寝ていたら、急に体が熱くなって・・・
気がついたら大きくなってたの・・・。」
「なんなんだ!! それは!?」
俺は驚きながらも、ほっとしていた。
夏美は、俺の可愛い妹なのだ。
夏美は、先程も俺を摘み上げた時も、潰さないように、慎重にしてくれたようだ。
とんでもない巨人になってしまったが、夏美なら俺を傷つけるようなことはしないだろう。
「それでさー、地面の上に可愛いトラックが見えたの。
遊ぼうと思って手を伸ばしたら、兄さんを見つけたわ。
それで、摘み上げたの。
兄さん、私のこと心配で帰ってきてくれたの?」
夏美は、屈託のない笑顔で笑う。
何をのんきにしているんだ! どうするんだよ、これから!
俺は心の中で叫ぶ。
俺の不安は的中したようだ。
とんでもないことになってしまった。
いったい、どうすればいいのだ。
とても現実だとは信じられない。
俺の頭の中は、ぐるぐる回っていた。
しかし、夏美はあっけらかんとしている。
普通、自分がいきなり巨大化したら、パニックを起すと思うのだが。
うう・・・我が妹ながら、理解できん。
俺は、再び夏美を見上げた。
夏美は巨大化した時に服が破れて、裸になったらしいが、全然気にしていないようだ。
俺の目の前に、夏美の巨大な胸がある・・・。
夏美のおっぱいは、猛烈に盛り上っていた。
すごくでかい・・・、6階建てのビルよりも、ずっと大きく見える。
それは夏美の顔よりも大きく、丸々と膨らんでいた。
そして、その形は若々しく、つんと上を向き、美乳といってもよいほどだ。
なんということだ、
俺と夏美は仲がよく、小さいころはよくいっしょにお風呂に入ったものだ。
夏美が小学校に入ってからは、さすがにそれはなくなったので、
妹の胸を直接見ることはなくなった。
高校生になったあたりから、夏美の胸が大きくなってきたことは意識していたが、
それにしても、とんでもない大きさだ。
そして・・・、美しい。
俺は、夏美の巨乳のあまりの大きさに、目を離す事ができなくなってしまった。
「もう、やだー、お兄ちゃん、何、じろじろ見てんのよ。」
大きな声と同時に、太い指が降りてきた。
夏美は、おっぱいをじっと見ていた俺のことを、指で弾くつもりらしい。
「うわっ、わわわっ!」
俺は慌てて、巨大な手のひらの上を転がるように、逃げる。
あんなでかい指に弾かれたら、体中の骨がばらばらになってしまうだろう。
幸い巨大な指は、俺に触れることもなく、空中に静止した。
夏美は、虫のように小さい俺を潰さないように、注意してくれているらしい。
「あ、い、いや、何も見てない・・・見てないぞ。」
俺は、慌てて取り繕う。
しかし、俺は前かがみになっていた。
俺の股間のものが、膨らんでいたからだ。
情けないことだが、俺は、夏美の巨大な胸を見て興奮していたのだ。
「うそ、兄さんったら、わたしのおっぱい、じっと見てたじゃない。 えっちー。」
夏美は、面白がっているように言う。
「そ、それで、これからどうするつもりなんだ?」
俺は目のやり場に困りながらも、夏美の顔を見上げながら、話題をそらせた。
「そうね、せっかく巨人になったことだし、
ちょっと、暴れてみようかしら。」
夏美が、わけの分からないことを言い出す。
「お・・・、おい、何を言っているんだ。」
「大きくなって、小さな家を見てたら、
なんとなく潰してみたくなってきたの。
巨人になった女の子は、暴れたくなるって、
聞いたことがあるけど、どうやら本当みたいね。」
夏美は、すっと立ち上がる。
夏美は、頭がおかしくなってしまったに違いない。
俺に、巨大な夏美を止める力など無い。
俺は、思いっきり焦りまくる。
あれ・・・、 家を潰す・・・??
そう言えば、夏美は家で寝ていたはずだ。
それなのに、いきなり巨大化したということは・・・。
俺は怖ろしいことに気がつき、夏美の手の端まで這って行き、下を見る。
とんでもない高さだ。 とても降りられない。
そして俺は、はるか下の地面に自分の家が、ぺしゃんこになっているのを見つけた。
「うわああああー、家がぁ、俺たちの家があああ!」
俺は、ショックのあまり大声を出す。
おそらく夏美が巨大化した時に、その巨大な尻に押し潰されたのだろう。
ご近所の家も、きれいに押し潰されている。
お隣の桜井さんや鈴木さんは、どうなったのか??
「兄さん、何、慌てているの?
家のことなら、すぐに、もっと大きなのを建ててあげるわ。
だって、私は世界の支配者になるんだから。」
何、わけのわからんことを言ってるんじゃー。
俺はパニックを起しながらも、心の中で叫ぶ。
だが、俺にももう分かっていた。
ご近所さんを、家ごと押し潰してしまった以上、
もう「ごめんなさい」では済まないということを。
「私は大きくて、誰よりも強いの、
だから世界中の人たちは、一人残らず、私のことを尊敬し、
私の命令に従わなければいけないの。
逆らう人は、みんな踏み潰しちゃうんだから。」
そんなことを言ったって・・・。
俺は泣きそうになる。
しかし夏美は、俺のことなど全く気にせずに言う。
「心配しないで、兄さん。 何が来たって、平気よ。
今の私は、いくらでも大きくなれるんだから。」
「な、なんだとぉ!」
いやな予感に、俺はさらに焦る。
「ふふふ、見て、兄さん。 もっと、もっと大きくなってあげるから。」
そう言うと、夏美の体がぐんぐん大きくなり出した。
それに伴い、夏美の手のひらの上にいた俺も、はるか上空に持ち上げられる。
俺の体にぐっと重力がかかる。
空気が薄くなる。 耳が、きーんと鳴る。
「わわーーー!!」
俺は悲鳴を上げる。
夏美の手のひらは、今や野球場よりもずっと大きい。
夏美の身長は、数kmもあるに違いない。
もうすでに、俺は夏美から見て、蟻よりも小さかった。
ここからは見えないが、夏美の足の下で、たくさんの家が踏み潰されているだろう。
「これは夢だ! 絶対に夢だ。」 俺は叫んだ。
だが紛れもなくこれは、現実だった。
夏美は、ますます大きくなる。
俺は、すぐに巨大な指紋の間に落ちてしまった。
「夏美ーー! やめろ、やめてくれー!」
恐怖のあまり、俺は絶叫する。
今、もし夏美が手のひらを傾けたら、俺ははるか下の地面に落とされてしまう。
「心配しないで、兄さんだけは特別扱いしてあげるわ。
いい暮らしをさせてあげるから、期待していてね。」
天空に夏美の楽しそうな声が響く。
それから夏美は、ゆっくりと歩き出した。
すごい震動で、俺の体は跳ね上がる。
巨大な胸が、俺の目の前に盛り上っている。
それは、山のような大きさで、ゆっさゆっさと揺れていた。
「うわー、や、やめろ! やめてくれーー!!」
これからどうなるのだ??
もう昨日までの平穏な生活には、戻れない。
俺はどうすることもできずに、ただ叫ぶしかなかった。