巨大美少女ミカ (15)
(不運な泥棒 改題)
NEW2さん みどうれい作
第一部 不運な泥棒(その15)
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「うわぁぁぁぁぁっ!」
「止めてくれぇぇぇぇぇっ!」
第二こびと丸の乗組員達はパニック状態だ。
先ほど出会った恐ろしい怪物に向かって船が高速で向かっているのだ。
さらに船の向きは後ろ向き、つまり本来とは進むべき向きとは逆方向、バックだ。
それに加え海ではなく、陸の上を走るという非常識な状況に、
船長を含む第二こびと丸の乗組員達はなすすべもなく、騒ぐばかりだった。
そんな中、乗組員の一人がある行動を起こそうとした。
それを最初に見つけたのは副長の二毛山だった。
「おい剛、何をするつもりなんだ?」
「二毛山さん、止めないでください。 俺、船から飛び降ります。」
「馬鹿なことをするな!こんなところから飛び降りたら、ただじゃ済まんぞ。」
「あんな化け物に食べられるくらいなら、今死んだほうがましです。」
「最後まであきらめるな。」
こんなやり取りを続けていた二毛山と剛だったが、口論を止め、ある方向を向いた。
その方角から船長の声が聞こえたような気がしたからだ。
「走、隙夫、やめろ!」 確かに船長の声だった。
二毛山がそちらを振り向いたときには、その声も聞かず、
次々と乗組員達が船から飛び降りるところだった。
「二毛山さん、やはり行きます。」
二毛山が先ほどの出来事に気を取られている間に、剛も船から飛び降りてしまった。
「何をする!もどれ!」 二毛山はそう言うと、剛を追うように船から飛び降りる。
「馬鹿野郎。 え〜イ!」 一人取り残された船長も、仕方なく船から飛び降りた。
「な、なんだ?」
波舞雄船長は、何か柔らかいところに着地した。
周りを見まわした船長の顔は、引きつった。
自分達はとんでもない場所にいることが分かってしまったからだ。
飛び降りた全員が、砂浜に横になった巨大な女性のお腹の上にいるのだ。
巨大な女性は、ミカだった。
ミカのお腹の上は、第二こびと丸の乗組員全員が、走り回れるくらいの広さがあった。
彼らの目の前には、巨人ミカのビキニのブラに包まれた山のような乳房があった。
ミカは、少し頭を持ち上げて、彼らを覗きこんだ。
「こびとさんたち。 仲良くしましょう。 今から、たっぷり遊んであげるわ。」
ミカは、彼女のお腹の上にいるこびと達を見つめながら、微笑んだ。
砂浜に横たわった彼女は、彼女の力で、全員を彼女の体の上に引き寄せたのだ。
この時、リィナがここにいたら、妹のやったことを見て愕然としただろう。
それは、彼女達の一族でも強い者にしか使えない「空間転移」の術なのだ。
ミカの能力は、今、急速に進化していた。
巨人ミカのお腹の上に、着地した第二こびと丸の乗組員達は、パニック状態だった。
「そ、そんな、 たしかに下は、砂浜だったのに!?」
彼らは、驚いたが、反射的にそこから、もう一度飛び降りようとした。
しかし、彼らは、巨人の体の上で動くことはできたが、まるで見えない壁に
遮られているかのように、どうやっても、そこから、飛び降りることができなかった。
「ふふふふふ。」 ミカは、彼女の体の上で、慌てふためくこびと達を見つめていた。
こびとたちは、若く、逞しく、元気そうなオトコばかりだった。
そして、さすがにイケメンだとまでは言えないが、皆、そこそこの顔だった。
ラッキィー。 私って、ついてるわー。 ミカは、心の中で笑った。
船に乗っているのが、50歳くらいの日焼けしたオジサン達ばかりだったら、どうしよう。
ミカは、さっき彼らの顔を確認していなかったので、少しだけ心配していた。
しかし、運のいいことに、ミカから見て、彼らは、可愛いオトコ達ばかりだった。
このこびと達なら、きっと、ミカを楽しませてくれるに違いない。
「あら、あら、こびとさん達、何を騒いでいるの。
砂浜の上に飛び降りてケガをしたら可哀相だと思って、せっかく助けてあげたのにー。
私の柔らかい体の上が、そんなに気に入らないの?」
ようやく悲鳴を上げるのをやめた彼らに、ミカは話しかけた。
「俺たちを、どうするつもりだ!」 剛が叫んだ。
その時彼らは、どうやっても、巨人の体の上から降りることができないと理解していた。
彼らは、巨人の肌のぬくもりを感じながら、その上にいるしかなかった。
「そうねぇ。どーしちゃおうかしら? ふふ、とりあえず、みんな服を脱いで裸になって。」
巨人の無茶苦茶な命令の声が、響く。
「は、はだか・・・? バカヤロー、そんなことができるか!!」 修司が叫んだ。
「あらあら、あなた達は、まだ自分の立場を理解していないようね。」
彼らの頭上に、巨大なピンク色の手が迫ってきた。
「うわぁ!!」 彼らは逃げようとしたが、やっぱり、彼女の体の上から降りられない。
すぐに、乗組員のうち三人が、巨大な右手に捕まってしまった。
「あなた達って、ほんとに小さいわねー。 それに・・・、弱いわぁ。
こんなに弱いのに、私に逆らうなんて、とってもお馬鹿さんね、あなた達は。」
ミカの手は大きく、片手で、乗組員たち三人を同時に握ることができた。
彼らは、必死になって、そこから逃れようとしたが、彼女の手はびくともしない。
「ふふふふ、あなた達には、少しレッスンが必要なようね。」
ミカはそう言うと、彼らを潰さないように手加減しながら、右手に少し力を込めた。
巨大な握りこぶしの中に囚われた三人の男達は、悲鳴を上げた。
他の者達は、どうしようもない恐怖に駆られて、彼女の体の上を走り回ったが、
すぐにもう一本の手が伸びてきて、また何人かを捕まえ、今度は、彼女の体に押し付けた。
「あははははは!!! よっわい。弱い!!」 ミカは、大きな声を上げて笑った。
第二こびと丸副長二毛山は、今、目の前で起きていることが、信じられなかった。
孝治、修司、譲治たちの足が宙に浮かんで、じたばたもがいていた。
彼ら3人の仲間達の体は、巨大な握りこぶしに囚われていたのだ。
巨人の手は、美しさと優雅さを兼ねそなえていた。
しかし、同時にその手は、3人の屈強な男を、締め上げる恐ろしい力も持っていた。
二毛山は、若い乗組員達が「化け物」を見たと言った時、何かの間違いだと思った。
しかし、今、彼の目の前にいるのは、化け物などという単純な言葉では、
とても表現できない、想像を絶するモンスターだった。
彼は、仲間を助けようと思ったが、足がすくんで動けなかった。
この時、後ろから空を切って、巨大な何かが迫ってきた。 巨人の左手だった。
それは、彼の家の寝室の壁よりも、ずっと大きかった。
すごいスピードで動く巨大な手のひらには、すでに、隙夫が囚われていた。
「うわぁあああ!!!」 二毛山は悲鳴を上げた。
二毛山と隙夫は、巨人の左手に捕まり、そのまま彼女の乳房に押し付けられた。
巨人の胸の表面は、以外に柔らかく、悲鳴を上げる彼らは、そこに少しめり込んだ。
二毛山は、巨人の肌のすぐ下に、弾けるような強い肉が存在しているのを感じた。
彼ら二人は、必死になってもがいたが、巨大な肉の壁はびくともしない。
巨人がその気になれば、二毛山たち二人を潰してしまうのは、簡単なことだろう。
彼女のすさまじい力は、とても人間の力で抵抗できるようなモノではなかった。
二毛山は「潰さないでくれーーー!!!」と 心の中で叫んでいた。
「あははははは!!!」 ミカは、大きな声で笑っていた。
今、彼女は、右手に3人、左手に2人のこびとを捕まえて、彼女の胸に押し付けていた。
彼らの抵抗とあがきは、巨人のミカにとって、くすぐったい程度のものだった。
他のこびと達は、悲鳴を上げながら、仰向けに寝ている彼女のお腹の上を走っていたが、
彼らの足の感触も、彼女にとって、小さな魚が肌の上でピチピチ跳ねる程度のものだった。
そして、彼らの非力な動きと悲鳴は、彼女の全身にすばらしい快感を与えてくれた。
彼女は、興奮のあまり、彼らを潰してしまわないように注意しなければならなかった。
「ふふふふ、こびとさん、クッションいいでしょう。 私のカラダは。
さっき、あなた達は船から飛び降りたわね。 危ないわよ、あんなことしちゃ。
あのままだと、冷たい砂浜に叩きつけられて、みんな大怪我をするところだったわ。
それを、私が、私の体を砂浜に投げ出して、柔らかいお腹で受け止めてあげたのよ。
あはっ、ねぇ、ねぇ、 私ってとても『心の優しい女の子』でしょう。」
ミカは、楽しそうに笑った。
「何言ってやがる。バカヤロー、みんなが船から飛び降りたのは、お前のせいだろーが!」
久太郎なら、そうつっこみをいれただろうが、あいにく、彼はここにはいなかった。
ミカは、今、5人の乗組員達を捕らえたまま、両手で、山のような乳房を揉んでいた。
その時、巨人の手に囚われていないこびとのうち2人が、行動を起こした。
船長と逞夫だった。
彼らは、ミカの左手の前に走り、彼女の太い指に手をかけ、二毛山達を助けようとした。
彼らとて、小さすぎる自分たちが、そんなことをしても無駄だと分かっていただろうが、
巨人の手で胸に押し付けられ、悲鳴を上げる二毛山達を、見ていられなかったのか・・・。
あるいは、彼らは、ただやけくそになっただけかもしれない。。
ミカは、しばらく不思議そうに、船長達の行動を見つめていたが、やがて、
「ふっ、お馬鹿なこびとさん。」 と、言って笑うと、一本の指で、彼らをぴんと弾いた。
船長と逞夫は、ひととまりもなく、巨人ミカのお腹の上を、転がった。
「よっわーい。 2人がかりでも、私の指一本を動かすこともできないんだー。
でも・・・、勇敢な船長さんね。 勇気のあるこびとさんは、好きよ。 ふふふふ。」
ミカは楽しそうに笑った。
それから、彼女は何を思ったのか手を開き、二毛山たちを解放した。
彼ら5人は、ミカの体の上に倒れこんだ。 すぐに仲間が、駆け寄った。
彼らは、骨がべきべきに折れるような力で締め上げられていたが、全く無傷だった。
可愛い玩具であるこびとを、簡単に潰してしまいたくないミカが、全員に結界をはり、
彼らの体を守っていたのだが、もちろん、彼らはそんなことを知らなかった。
さて、これからどうしよう。 ちょっと落ち着いたミカは、考え込んでいた。
ミカは、船のこびと達を捕まえて、姉リィナのところに連れて行くつもりだった。
動けない姉の体の上に、大勢のこびとを乗せて、彼らに命令し、這い回らせたり、
しゃぶらせたり、くすぐらせたりして、姉にイタズラをするつもりだった。
無論、そんなことをすれば、姉リィナが激怒し、麻痺術を破り、暴れだす可能性はある。
しかし、リィナが悶絶して降参し、こびとさんと遊ぶ快感に目覚める可能性もある。
姉が大好きなミカとしては、やってみる価値のある作戦だった。
しかし、可愛いこびと達を、すぐに姉に渡してしまうのはもったいない気がしてきた。
大勢のこびとと遊ぶのは、すばらしい快感だった。 もうちょっとだけ遊びたい・・・。
ミカは、超感覚で、寝室のベッドに横たわる姉の様子を探査した。
幸い姉は、まだ口の中のこびとをしゃぶるのに夢中で、ミカの麻痺術にかかったままだった。
本気になって怒ったら、すごく強い姉リィナにしては、ずいぶん情けない状況だが、
もしかしたら、姉は今、心の中で望んでいたことを、しているのかもしれない。
ミカは、ほっとした。 彼女が、しばらく遊ぶ時間くらいはありそうだった。
「さーて、何をして遊ぼうかしら?」
ミカは、再び、彼女の体の上に囚われたこびと達に、目を向けた。
巨人のミカの目には、彼ら全員が、そこでぷるぷる震えているように見えた。
非力なこびと達は、今、彼女のお腹の上の牢獄に囚われているのだ。
彼らの力では、絶対にそこから逃げられない。 すべては、ミカの思うがままだ。
ミカの力なら、彼ら全員を捻り潰して、彼女の体に擦り付けてしまうのも、簡単だろう。
彼女がそうしようと思ったら、彼らには、もはや何の希望もない。
しかし、それではあっけなさすぎる。 もっと楽しめることはないだろうか?
この時、ミカは、別のゲームを思い出した。
第二こびと丸の乗組員たちは、恐怖に怯えていた。
女巨人は、あまりにも大きすぎて、強すぎた。
彼女が何をしたとしても、彼らに、それを止めることはできない。
しかし、どうも、この巨人は、すぐに自分たちを殺すつもりはないようだ。
いっそのこと、彼女の命令通り、服を脱いで裸になり、命乞いでもしようか。
もしかしたら、彼女も、あまりひどいことをしないでくれるかもしれない。
乗組員の何人かが、真剣にそう考えていた時、巨人の声が響いた。
「ふふふふ、こびとさん、楽しいゲームをしましょうね。」
同時に、彼らの上に、巨人の両手が迫ってきた。
彼らは、悲鳴を上げて逃げ回ったが、やはり巨人の体の上から降りられない。
隠れる場所など、どこにもない。
全員が、彼女の大きな手に囚われるのに、たいして時間はかからなかった。
しかし、ミカは、あまり強い力で握らずに、そのまま全員を砂浜の上に降ろした。
彼らは、自分達がどうなったのか分からず、しばらく呆然としていた。
「こびとさん、私は、あなた達に『生き残れるチャンス』をあげることにしたわ。
今から、この島の中で、私と追いかけっこをして、遊びましょう。
明日の朝まで逃げることができたこびとさんは・・・、食べないでおいてあげるわ。
ふふふふ、私って、なんて、こびとさん思いの『慈悲深い女の子』なのかしらん。」
巨人ミカの無茶苦茶な内容の声が響く。
そう言われても、彼らはそのまま、じっとそこに立っていた。
巨人と「追いかけっこ」をするということ、そして「捕まった者が食べられてしまう」と
いう意味が、彼らには、よく理解できなかったのかもしれない。
ミカは立ち上がって、彼女の巨大な足を上げて、彼らの上にゆっくりと降ろそうとした。
「うわあああーーー!!!」
全員を同時に、踏み潰してしまえそうなくらいの大きさの足の裏が、頭の上に
迫って来るのを見て、彼らは、恐怖の悲鳴を上げ、全速力で走り出した。
「忘れないでね、捕まったこびとさんは、私の大きな口に食べられちゃうってことを!」
我先に逃げ出すこびと達を、わざと見逃してやりながら、ミカは笑った。
彼らが、砂浜を全速力で走っていくのを、ミカは楽しそうに眺めていた。
彼女は、この島で、彼らと「追いかけっこ」を、するつもりだった。
彼女は、今、こう考えていた。
こびとさん達にゲームをすると言って、彼らをわざと逃がしてあげよう。
恐怖に怯えながら走る彼らを、追いかけて遊ぶのは、きっと楽しいわ。
彼らは、もしかしたら助かるかもしれないと考えて、必死になって逃げるだろう。
島には、森や湖や洞窟などがあるから、彼らも一時的に隠れることはできる。
そして、助かったと思って、安心している彼らを、また捕まえてあげるの。
もちろん、その後、捕まえたこびとさん達は、みんな、お仕置きよ。
一人ずつ、とっても、恥ずかしいイタズラをしてあげるの。じわじわと、時間をかけて。
あは、考えただけでも、楽しいわ。 ミカは、くすくすと笑った。
こびと達は、この島のジャングルともいえる森に、逃げ込もうとしていた。
彼らは、森の中に隠れれば、自分達が助かるとでも、思っているのだろう。
「こびとさん達、一生懸命走って、逃げてね、簡単に捕まってはダメよ、
だって・・・、すぐにゲームが終わったら、面白くないんだもん。」
ミカは、勝手なことを言ってから、ゆっくりと立ち上がった。
それにしても、冷静に考えるなら、ミカの行動は、論理的でなかった。
彼女は、船のこびと達を捕まえ、姉を降参させる玩具にするために、島に戻ったのだ。
首尾よく、彼ら全員を捕らえたのだから、ミカは、すぐに寝室に戻るべきだろう。
ミカの計画通りいくかどうかは別にして、姉がいつ麻痺術から回復して、反撃をして
くるか分からない今、のんきに「こびと達と追いかけっこ」などしている場合ではない。
しかし、もう、ミカは、「狩り」をすることに決めてしまった。
「狩り」の獲物はこびとさん達、 そして、ハンターはミカだった。
まぁ、もともとミカは、こびとと遊びたいから、暴走しているのだ。
彼女は、自分がやりたいと思ったことをするのだ。
彼女に論理的な行動を、期待するのは、無理なのだろう。
ミカが島で遊んでいる間に、姉が復活したとしても、その時はその時の話だ。
もはや、彼女は完全に開き直っていた。
もしかしたら、ミカは、次にどうなるか分からないスリルを、楽しんでいるのかもしれない。
いつのまに時間がたったのだろうか。 太陽が水平線から顔を出していた。
朝日が、砂浜に立つミカの巨体を照らしていた。
今日は、楽しい一日になりそうだった。
「さぁ、ハンティング(狩り)よ。」
ミカは、彼女の大きな舌を出し、赤い唇を舐めながら言った。
第一部 不運な泥棒 完
(その16に続く)