《アリシアの部屋》 その1

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 ビリーは自分の身に起こった事が信じられなかった。

 ビリーはアリシアのバッグの中で弾んでいた。
彼の身長は、たったの15cmしかないのだ。 暗いバッグの中、彼女が歩く音だけが響いていた。

 彼は今の自分の状況に恐怖を感じ、呆然としていた。
彼は自分の身に何が起こったのか、ぼんやりと思い出していた。

 30分ほど前、大学の構内を歩いていた彼は急に眩暈を感じそこに倒れた。
気がつくと、彼の10倍以上もの身長の巨人が、彼の目の前にそびえ立っていた。

 ビリーは恐怖の悲鳴を上げる。
巨人が彼と同じクラスで授業を受けているアリシアだと気がついた。

 ビリーは少しだけほっとした。
アリシアとは特に親しいというわけではないが顔は知っている。
 理由は分からなかったが自分が突然小さくなったことを知った。
今は彼女に助けてもらうしかない。

 彼はアリシアに助けを求めた。 しかし彼女は返事をしなかった。
彼女は誰も見ていないのを確認すると、ビリーを摘み上げ自分のバッグに放り込んだのだ。
 そして彼女は足早に歩き出した。


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 硬い地面の上を歩く彼女の靴音は、重く、速かった。
ドアが開く音がする。 どうやら彼女は自分の家に着いたらしい。

 バッグが開く。 アリシアの巨大な顔がビリーを覗き込んでいた。
彼女は少し濃い目のブロンドヘアーが長く伸びた、魅力的な女の子で、
彼女のボディにフィットしたデニムのジーンズを着ていた。

 ビリーが彼女を見上げた時、彼女はとても嬉しそうに微笑んだ。
彼女の巨大な手が伸びて来た時、彼は恐怖のためバッグの中にもぐり込もうとする。

 もちろん、そんな事をしても無意味だった。
彼女の手は簡単に彼を掴みバッグから摘み出した。

 アリシアはビリーを顔まで持ち上げた。 彼の体は彼女の温かい手の中に包まれた。
ビリーは悲鳴を上げる。 呼吸することはできたが、彼は腕を動かすことさえできなかった。

「やめてくれ!! アリシア。 苦しい、手を緩めてーー!」
 彼は必死で彼女に叫んだ。

「ビリー・・・私の家にようこそ、今からたっぷり遊んであげるわ」
 アリシアはビリーを握る力をほんの少し緩めて彼に言う。

「アリシア! 何言ってるんだよ、僕を小さくしたのは君なのかい!?
どうしてこんな事ができるんだよ!?」 ビリーは叫ぶ。

「あなたの知らない事よ・・・」
 アリシアは彼の問いに答えずに、部屋のドアを開き中に入った。

 彼女の部屋を見たビリーは驚く。 床も壁も天井も真っ赤なのだ。

 たいがいの家では、壁紙の色は白か薄いグレーといった普通色だ。
こんなに真っ赤な部屋をビリーは見たことがなかった。

 なんていう趣味をしてるんだよ・・・。
彼女はこの部屋で毎晩寝ているのだろうか? ビリーは恐怖の中で呆れる。

「ふふふ、ビリー、どうかしら私の部屋は・・・? 私は赤い色が好きなの。」
 小さなビリーを握り締めたままアリシアは言う。

 ビリーは彼女を見上げる。 アリシアは大きな舌で彼女の唇を舐めている。
そして彼女の目は完全にイッテしまっていた。

 ビリーの顔は引きつった。
彼は自分がとんでもない巨大少女に捕まった事を理解する。

「やめろーーー!! この手を放せええ!! 家に帰せええーー!!」

 彼はパニックを起こして叫び、自由になるためにアリシアの手を叩いた。
しかし彼女はくすくす笑うだけで、彼を捕らえたまま放そうとはしなかった。


「おぉ・・・ビリー。 あなたにはレッスンが必要なようね。」
 彼女はそう言うと、部屋の隅まで歩き、そこにあった小さな台の上に彼を落とす。
それは花瓶か何かを置くアンティークなのだろう。 金の装飾がほどこされていた。

 硬い木製の板の上に(彼から見て)3mくらいの高さを落とされたビリーは、苦痛の悲鳴を上げる。
軽い打撲傷を負ったのだろう。 身長15cmの彼は痺れて動けなくなった。

 その時、ビリーは頭の上が暗くなるのを感じた。




「うわああ!!!」 上を見たビリーは悲鳴を上げる。

 なんと、アリシアが彼の上に座ろうとしているのだ。
ジーンズをはいた彼女の巨大な尻が、すぐ彼の上に迫っていた。

「ふふふ、この私に逆らったらどうなるかを、あなたに教えてあげるわ」
 アリシアの声が、周囲に響いた。


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