《 夢十夜 》 第二夜 水の中で・・・
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夢を見ていた・・・。
その夏はとても暑かった。
しかし、政府による節電命令によりクーラーを入れることができない。
仕方が無いので、人々は水の中で生活をしていた。
確かにそうだ、水の中ならば少しは涼しくなるだろう。
ところで呼吸はどうしているのだろうか・・・?
地階へ行くために階段を下りる。
水槽の中に人はいなかった。
ただ普通に魚が泳いでいるだけだった。
水槽の中にいた人々は何処へ行ってしまったのか? ・・・答えは無い。
節電をしなくてもいい、普通の生活に戻ってほしいな・・・。
そう思いながら、俺はじっと魚を見つめていた。
(夢十夜、第二夜 終わり)