《 軍用犬の旅 》
 最終話

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 私は軍用犬である。

 厳しい訓練の末、ついに私は勇敢な戦士となった。

 この国を、そして人々を守るのが私の使命!




 だが突然、別れの日が来た。

 私は軍を除隊し、普通の犬として里親に引き取られることになった。


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 「今まで本当にありがとう。あなたといっしょにいて楽しかったわ」
隊長が、隊の仲間達が・・・そして女性の軍事教官が私を抱きしめてくれた。






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 ど、どうしてなのですか、私は優秀な軍用犬なのです。

 この国と人々を守るために命をささげようと誓っていたのに、

 その私がどうして軍から追放されるのです!






 何が起こったのか犬である私には分かりません。 ただ漠然と予想はできます。

 今までの戦場で、いかに多くの軍用犬が命を失ったのか・・・。

 だから軍司令部は、もう動物達に危険な任務をさせるのをやめる方針なのかもしれません。

 軍用犬部隊は大幅に縮小された。 もう軍には私の居場所など何処にもないのです。






 ははは・・・

  「動物を戦争に利用するのはやめよう」 ということですか。 とても立派な判断ですね。
でもね、私は軍用犬なのです。軍を離れて何処へ行けばいいんです?

 ねぇ、誰か教えてくださいよ・・・。





 ・・・・・・・・・。
































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 あれから1年の月日が流れた。

 えぇ、なんとか
警察犬として再就職できました。

 軍用犬として厳しい訓練をうけた私のキャリアが、認められたのです。

 新しい職場で元気にやってます。

 まぁ、一つの人生を失っても、また新しい生きがいを見つけられた私は幸せなのですね。






 新しいご主人様は警察官です。人々の暮らしを守る立派なお仕事をされています。

 あぁ、もしかしたら、この町でも
巨大娘が現われてヒドイ目にあうという展開かもしれません。

 それでもかまいません、私は精一杯今を生きるだけなのですから。

 さぁ、今日も町の平和を守るため、パトロールに行きましょう!

 ご主人様! はやく、はやく。





(軍用犬の旅 終わり)



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