《 真夜中の体育倉庫 》 第7話

               CG画像 June Jukes

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(男性の視点で)

 俺の名は健一。 うぅ、まだ頭がぼんやりする。

 運命という奴は本当にとんでもない。 少なくとも俺には理解できない。

 その日はいつもと同じ一日だった。
夕食の後、買い物をするためコンビニに行こうと家の外に出た。

 この町の治安はいい。 夜の外出も俺には普通の行動だ。
急にめまいがして道路に倒れる。気がついたら巨大な女の子の太ももに囚われていた。

 
信じられないくらい巨大な女の子!!




 よく見れば彼女はセーラー服にブルマ、黒のニーソックスという非常識な服装。 その目は明らかにイッテしまっている。 俺は直感で理解した、やばい! 真剣にヤバイ状況だと・・・。 

  彼女の名前は夕崎愛花。
その言葉を信じるなら、彼女は超能力で俺を身長20cmに縮小した。

 そしてここは学校の体育倉庫。今から俺と遊ぶつもりらしい
そんな! 遊ぶったって・・・このサイズ差で何をするというのだ!?

 元に戻してくれと頼んだが、ダメだと断られた(泣)

 ネットでGTS・シュリンカー趣味という嗜好があることは知っていたけど、
まさか自分がこんな事になるとは。 いったい俺はどうなるのか。

 その時、俺は自分のポケットにスマホの携帯がある事を思い出した。 俺が縮小された時に、いっしょに小さくされたらしい。

 俺の携帯は体の線にそって柔軟にそり返る最新機種だ。 タッチスクリーンがガラスではなく柔軟なプラスティック製で、有機LEDも薄皮のように表面に貼付けてある。 そのため完全に折り曲げたら壊れるが、少しくらいなら曲げてもそのまま使える端末になっている。 

 普通の硬い携帯なら、この巨女が俺を握り締めた時に彼女も気がついただろう。 しかし俺の最新スマホは薄型で柔らかいため、その感触が彼女に見つからなかったようだ。 これがまだ使えるなら家か警察にTELができるかもしれない。 しかし、この巨女が黙って携帯を使わせてくれる訳が無い。 

 この携帯は最後の切り札。 使うチャンスはあるのか? とにかく様子を見るしかない・・・。




 巨大な女の声が周囲に響く。

「ねぇ、健一さん、私を見てください、 私って可愛いですか?」

 
はぁ、何を言ってるんだよ。 お前は? そんなでかい図体をして何が可愛いっていうのだぁ?? それより早く、俺を元に戻してくれ!! 俺はそう思ったが恐怖のため本音を言う勇気がない。

「あ、あぁ、とても綺麗だと思うよ」
 この状況で唯一許されている返事をする。 この巨体で可愛いとは思えないので綺麗と言ったのだが、彼女の顔がぱっと笑顔になる。

「嬉しいな。 恥ずかしいけど、今日は健一さんの好きなブルマをはいてきたんですよ。 写真部の川田さんが健一さんはこういう服装が趣味だと言ってましたので」


 こら! 何を言ってる、俺がブルマ娘が好きだとぉ?? 俺はそう思ったのだが、恐怖のためか呆れたのか声にならなかった。

 川田は俺の悪友の一人で、ブルマの娘が好きというのは自分の趣味を言っているだけだ! しかし、よりにもよってあの川田に俺の趣味を聞くとは・・・。



 俺は巨大な太ももに囚われたままの状況で身動きできない。 この位置からだと巨大な胸の向こうに、彼女の顔が見える。 すごい迫力だ。

 俺は恐怖をおさえながら提案する。 
「あ、あのさぁ・・・君ともっと仲良くなりたいな、できれば君の部屋か別の場所で話をしたいんだけど・・・」

 真夜中の学校の体育倉庫、完全な密室。 電気もなく窓からの月明かりだけ。 この場所は怪しげな雰囲気がただよっている。 外に出たい。 それにここから移動すればその途中で事態が好転するかもしれない。


 巨大な彼女の声がさらに響く。

「あぁ、健一さん、ごめんなさい。 どうして体育倉庫なんかに連れ込んだのか不思議に思っているのですね。 私も本当なら柔らかいベッドの上で貴方と愛しあいたいです。

 でも・・・ここは私達の思い出の場所なんです。

 告白します。いつも愛する貴方を遠くから見ていました。 しかし、健一さんは私のことなんか見向きもしてくれず、思いはつのるばかり。

 そして、ある日、この体育倉庫で貴方のカバンを見つけたのです。 思わず駆け寄って見ました。 中には健一さんの汗にまみれた体操着! 部活の後に、健一さんがここに置いていったのでしょう。

 私ってダメなんです。 子供の時から特定の匂いを嗅ぐと我慢できなくって、エッチな気分が止まらないんです。 特に健一さんの匂いは最強で体が疼くんです。

 そのまま健一さんの体操服を顔にあてその場に倒れこんでしまいました。 とっても気持ちよかったです。 誰にも見られなかったのは僥倖でした。 

 それから悪いと思いましたが貴方の体操服を家に持って帰りました。 洗わないで毎日、私が着て寝ています。 幸せな夜が続きました。 でも、もう匂いだけじゃ満足できません。 そして今朝、決意しました。 貴方を小さくして私のモノにしてしまおうと・・・。

 そして私達が結ばれるのは、健一さんの体操服を私が手に入れた記念すべき場所・・・この体育倉庫がふさわしいのです。 だから今日、私達がここにいるのは当然の結末なのです。

 あぁ、こうしてここで小さくなった貴方と楽しく遊べると思ったら、今からドキドキが止まりません!」








 俺はおもいっきり焦る。 

 いかん、本物だ!

 本物の危険系女子(アブノーマルガール)だ。

 それも超特大の危険電波娘!

 それにしても俺のバッグと体操服が無くなったと思ったら・・・


 お前か、犯人は!?





 巨大な女の声がさらに響く。

「あぁ、健一さん、どうしたのですか、きっと小さくなって不安なのですね。 安心してください。 他の悪い女の子から、私が貴方を守りますから」



 いや、他の女の子から守ってほしいのではなくて・・・

 
お前から守ってほしいんですけど!!

 俺は心の中で突っ込みをいれる。 もちろん声にはならない。



 しかし、この状況はヤバイ、逃げる事も抵抗する事もできない。 誰も助けに来ない。 俺はこのまま体育倉庫で、大きな娘にイタズラされるしかないのか!?

 いったいどうすればいいのだ?



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