《 真夜中の体育倉庫 》 第10話

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 えぇ分かっています。 健一さん。
私が「恋人になって欲しい」といっても、貴方はまだ戸惑ってる。

 でも、今から私のこと愛して欲しい。
好きになってもらえるように、私、がんばりますから。

 さぁ、私を感じてください。 大きな私の体を・・・。



 あぁ、そう言えば、聞いておかないといけない事がありました。
ねぇ、健一さん。 貴方はいつも一人でこの体育倉庫の整理をしていましたよね。

 他にも運動部の部員は大勢いるのに、
どうして貴方だけが一人で倉庫整理をしないといけなかったのでしょう。

 もしかして他の部員のイジメにあったのでしょうか、そうだとしたら許せません。
私の愛する健一さんをパシリにするとは、神様が許しても、この私が許しませんわぁ。

 さっき言いましたよね。 健一さんは私が守るって。
そう、私にはそれをする意思も能力もあるのです。

 さぁ、教えてください。 貴方に倉庫整理の作業を押しつけた連中の名前を・・・。

 私の「人間を小さくする超能力」は、もうご存知ですよね。
健一さんをイジめた奴らを小さくして捻り潰してやります。 楽には殺しません。

 じっくりと時間をかけていたぶり、この世に生まれた事を後悔させてあげます。

 たとえそいつらがイケメン男性でも、権力者の息子でも気にしません。
私は健一さん以外の男に興味ありませんから。

 小人になった悪い運動部員どもは、きっと私の巨体に怯えるでしょう。
でも、それは当然の報いなのです。

「命だけは助けて!」 と言っても助けてあげません。
「お願いだから許して!」 と言っても許してあげません。

「お金をくれる」といったら・・・とりあえずもらっときますけど。
「警察に通報するぞ」 なんて言う男がいたら最初に踏み潰します。

 悪い運動部員どもは、きっと心が冷たいので
冷蔵庫に入れて凍らせて「人間かき氷」にしちゃうのもいいですね。

 でも、やっぱり、泣き叫ぶ小人男達を私の巨体で押し潰すのが・・・
一番、楽しくて素晴らしいと思うのです。

 あぁ、考えただけで、ぞくぞくしちゃいますわ。

 健一さんの敵を、私が楽しみながら捻り潰すのを、その目で見れば、
貴方もきっと私の愛に気がつくでしょう。

 だから男どもの名前を教えてください。
私の愛する貴方に酷い仕打ちをした連中の名前を・・・。

 ねぇ、教えて・・・教えてぇ・・・

 
は・や・く、教えてください。

 貴方に私の真心を知ってほしいのですから・・・。

 え、なんですって、別にいじめられてないって、
倉庫がちらかっていたから、自分の意思で整理をしただけ・・・他の部員とも仲がいいって。
頼むから友人達には何もしないでくれ・・・?

 あぁ、よかったですわ。 さすがは健一さん、優しいのですね。

 惚れなおしましたわ。 結婚しましょう。



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