《 真夜中の体育倉庫 》 第24話 ---------------------------------- (健一の視点で) 愛花の超能力で身長20センチに戻った俺。 へろへろの、よれよれになっていたのに体力が回復している。 これは愛花の力か? それとも始祖とやらのパワーか? あぁ、愛花にパイズリされて気持ちいい・・・。 このまま愛花のオモチャとして生きるのもいいか・・・。 いや、ダメだ。今度こそここから脱出しなければいけない。 もはや、俺と愛花だけの話ではなくなった。 始祖の記憶が戻ったのか、俺には真実が分かっていた。 この女は相手を縮小するだけでなく、自分が巨人になる力を手に入れようとしている。 俺一人なら、なんとか愛花のご機嫌をとり、仲良くできる可能性はある。 しかし、この女が巨人になったら、何をしでかすか分からない。 幸い、体力と気力も回復している。 これから、どうする? 考えろ、考えるのだ、逃げる方法を! 俺は愛花の顔ではなく、この体育倉庫の出口の方を見る。 結果として、この行動は大失敗だった。 自分の顔を見てくれないと、愛花を怒らせただけなのだから。 |
巨人愛花の声が響く。 「健一さん、あなたが何を考えているか、私には分かります。 私から逃げようとしているのですね。 あははは、いいですわ、あなたを元のサイズに戻してあげます そうですね、鬼ごっこをしましょう。 鬼は私で、健一さんは逃げるのです」 周囲がぐらりと揺れる。愛花が超能力を使ったのだ。 気がついたら、俺は1人で夜の道に立っていた。愛花はいない。 そして周囲の風景を判断して俺はもう小人ではない、 普通の人間サイズになっていた。 やったー、元の大きさに戻ったああああ!! |