巨人達がすぐ近くに立っていれば、巨大な肉色の壁しか見えなかったろう。
しかしビルが少しだけ離れた位置にあったので、巨人の全容を理解できた。
道崎は凍りついたように彼らを見つめる。
巨大な二人の男女が楽しそうに愛しあっている!
白昼堂々! 街中での全裸巨大カップルの性行為!
彼女達は普通の人間の約200倍の大きさ!
身長300m以上もありそうだ!!
その衝撃で高層ビルが揺れているのだ。
彼女達は互いに夢中で、足元や建物の中にいる人々の事を全く気にしていなかった。
巨人の少年はこちらに背を向けて立っている。 高校生くらいの年齢。
顔は見えないが、健康的な草食男子だと推測できる。
そして、黒い長髪の巨大な美女がしゃがんでいた!! 巨人高校生よりやや年上だ。
ふるいつきたくなるような美人。 抜群のプロポーション。
エキゾチックな紫色の瞳に、きれいな眉、うすい紅色の唇、整った顔は強い意志を感じさせ、華やかな笑みが浮かんでいる。
何故か、彼女の名前がマリアだとすぐに分かった。
彼女が普通の大きさで、もし道ですれちがったら、
道崎は間違いなく振り返ってその後姿を見つめただろう。
しかし、今の彼女はビルを震撼させる大きさの巨人。
でかい、でかい、でかい、おっぱいだぁ!
マニアックなまでに大きな乳房!! 胸! ウルトラ巨乳バスト!
乳首だけでも、男数人が乗れるサイズ。
彼女には、人をひきつける魔的な魅力があった。
巨大な女は都市にしゃがみ、うっとりとした表情で男の子の股間を見つめている。
薄紅色の唇を、淫猥な舌が舐めている。
この位置からは見えないが、少年の股間のペニスは大きくいきり立っているだろう。
そう!! 明らかに女は、巨大少年の股間のモノを欲しがっていた。
「あは、あはははは、あはは」
道崎は笑いを止めることができなかった。
彼の人生はそれなりに順調だった。
この厳しい時代でも会社の業績はよく、かなり高額の給料をもらっていた。
そして今日も、ごく普通の平和な一日になる予定だった。
若く巨大なカップルが現われなかったらの話であるが。
床の一部が陥没し、下の階のオフィスが見える。
ビルが土台から傾いていた。 もう助からない。
一階まで逃げようとしても、その前にこの建物は崩れると確信していた。
道崎が30年間も働いた商事会社の本社ビルが、
巨大なカップルの街中での性行為・・・ただの遊びによって潰される!!
俺の会社のビルだ、壊すのを止めろおおお! と叫びたかった。
しかし、言葉にならない。 巨大カップル達は全てが可能な存在なのだから。
「あは、あはは、あひゃ、ひゃ・・・うひゃ、ひゃはは・・・」
あまりの不条理に笑いがとまらない。
完璧絶対絶命の危機の中、道崎は二人の巨人から目が離せなかった。
愛し合う巨大な女と少年、 彼女達はなんと美しいのか!!
人知を超越した永遠と絶対!
今の彼は人生の全てを忘れていた。
サキュバスの魔力に魅入られていた。
この時の彼は巨大な彼女のことしか考えられなくなっていた。
目の前の若い巨人女、
素晴らしい、ビューティフル!!
数十秒後の確実な破滅を前に、道崎は巨大なマリアに魅了されていた。
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