《 サキュバスマリア 14 》 地下街からの脱出 ---------------------------------- 時間は少し遡る。 ここは都市の地下街。 巨大なマリアが出現した衝撃により、多くの地下区画が押し潰されていた。 しかし、そこでも数名の者が生き残っていた。 「よーし、みんな、頑張れ、もう少しだぁ!」 電気の消えた暗闇の中、地下街に閉じ込めらた男女が互いに声をかけていた。 地上へと繋がる階段。 瓦礫でふさがっていたが、隙間から光が見える。 幸いコンクリート片の瓦礫は細かく砕かれていたので、人間でも動かせた。 生き残った者が力を合わせ、瓦礫を手で取りのぞいていた。 もう少しで脱出できる。 無事だった20人の男女。 男が17人、女は3人。 巨大カップルの姿を見ていない彼らは、地震で地下街が崩れたと考えていた。 助かるために協力しあっていた。 いつの間にか、桐生という男がリーダーになっていた。 桐生はサラリーマンだが、いかにも体育会系という雰囲気。 体格がよく、こういう時に頼りになりそうな男だった。 彼らは必死で瓦礫を動かし運び、脱出路を作る。 そのかいあって、ついに地上への道が開いた。 「やったああ!!」 声をだして喜ぶ。 「ちょっと待て!」 すぐに飛び出そうとする彼らを、桐生が止める。 桐生は、「地震の時は、外の建物から瓦礫が落ちて来る可能性がある。 だから充分に安全を確認して外に出るべきだ」と説明する。 一応、正論ではある。 だが、その時、凄まじい轟音が響く!! ゴオオオオオンン!!! |
身長300mの巨人高校生良樹が |
頭上を見上げて、自分を踏み潰すモノが巨大な女の足の裏だと分かった者が何人いただろうか? あまりに接近しすぎた場合、巨人の体は肉色の壁にしか見えなかった。 「いかん、地下街に戻れ!!」 桐生が叫ぶ。 地上に出たら安全だと考えていた。 しかし間違いだった。 そこにはとんでもない怪物がいたのだ!! 悲鳴を上げながら、今出てきたばかりの崩れかけた地下街に逃げ込む。 とりあえず怪物のいる地上よりは、地下の方が安全だと考えた。 地下街の天井など、何の防御にもならないとは考えなかった。 生き残ったのは8人だけだった。 呆然とする。 何と言う事だ! 名も知らぬ者同士が皆で協力して瓦礫を動かし外に出たのに・・・。 男も女も、力をあわせて努力したのに・・・。 踏み潰されてしまった・・・巨大な怪物に。 そう・・・人生とはいつも気まぐれで残酷。 一生懸命に努力したのに、どこまでも不幸が続く事があるのだ。 凄まじい音が響く。 桐生達には怪獣の咆哮としか思えなかった。 この時、地上では 巨大高校生良樹の股間から大量の精液が噴出していた。 その精液が砲弾のように都市に降りそそぎ、地面を爆撃する。 桐生達のいる地下街に、大量の白い樹液が流れ込んできたのは、 それから2分後の事だった。
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