《 ヘリコプター危機一髪 》




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 ぐうおおおーーーん。



 大気を震動させる音と共に、巨大な手が振り下ろされる。


「うわあああーーー!」

 俺は悲鳴を上げながら、必死になって操縦桿を握り、ヘリコプターを旋回させる。


 すぐ後ろで、ビルのように大きな手が、空を切る。

 間一髪!!

 ぎりぎりのところで、俺の乗ったヘリは、巨大女の手から逃れることができた。








 ヘリ全体が、ぐらぐら振動している。

 振り下ろされた手が起す空気の振動だけで、これほどの威力があるとは・・・。

 彼女の手に触れていたら、その瞬間に、この大型ヘリは、粉々に砕け散っていただろう。


 そのまま俺は、ぶっちぎりのスピードで、ヘリを上昇させる。

 俺は心の中で、偵察任務を命令した司令部のことを、毒づいていた。


 しばらくして、ようやく落ち着いた俺は、窓から下を見る。

 この高さでは、山中に立つ巨大な
彼女も、ずっと下で小さく見えていた。


 よかった・・・、追いかけて来ない。

 俺は胸を撫で下ろす。

 巨大女が空を飛べなくて、本当によかった。

 俺は自分が生きていることを、神に感謝するのであった。





《ヘリコプター危機一髪》 終わり



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