《 あこがれ 》

                   絵 : WarzWarsさん
                   文 : みどうれい

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「それじゃ、図書館に行ってきます。」
 僕はそう言って家を出る。

「行っておいで、コウ、よーく勉強するんだよ」
 おばあちゃんが優しく、僕を見送ってくれる。

 僕の名前は藤堂光一(とうどう こういち) 十二歳、中学生だ。

 夏休みのその日も、僕は教科書を持って図書館に行く。 家にいると、弟とペットのミケが「遊んで〜」と、うるさいからだ。

 そりゃあ、僕だって遊んでいたいさ。 でも僕には夢がある、 いっぱい勉強をして、立派な医者になるんだ。 僕がそう考えたのには理由がある。 僕の小さいころに、母さんが難病にかかって・・・そして、二度と帰ってこなかった。 僕は、いっぱい泣いちゃった。 小学校でも、僕だけ母さんがいないので、いつも寂しい思いをしていた。

 だから僕は誓ったんだ。 大きくなったら医者になろうって。 僕が、大勢の患者さんの病気を治してあげる。 僕みたいに寂しい思いをする子供達がいなくなるようにするんだと・・・。 天国の母さんも、きっと僕のことを応援してくれているに違いない。

 だから僕には遊んでいる時間なんか、ないんだ! 医者になるためには、中学の今からでも勉強をしなければいけない。 夏休みなんか関係ないんだと、

 ・・・・・・あれ? なんか変だぞ。

 僕は図書館に行って勉強しなければならない・・・のだが・・・何故か、僕は別の方向に歩いていってしまう。

 何か妙な予感がする。

 何かが僕を呼んでいる。

 僕の家から図書館までの途中には、剛竜院高校のサッカーグラウンドがある。 夏休みの今、本当なら、この時間は高校のサッカー部員の先輩達が、そこで練習をしているはずなんだけど・・・、誰もいない。

 剛竜院高校には、僕の通っている中学からも大勢が進学しているので、僕の知っている先輩も多い。 何か起こったのだろうか?

 いや、それよりも誰かが僕を呼んでいるような気がする。 はやく行かなければいけない。 いつの間にか僕は走り出していた。

 百合の花のような、甘い香りがする。 何かいる! 感じるんだ、この向こうに、何かとんでもない存在がいる。

 恐ろしい胸騒ぎがしたけど、コワイ物見たさというか、僕は、高校運動部のプレハブの部室の影に隠れながら、その場所を見る。

「うわっ!」 僕は驚いて、声を上げる。

 サッカーグラウンド横の芝生の上に、彼女がいた。

 
とんでもない大きさの彼女が・・・。



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 信じられない、なんという大きさなのだ。 3人の高校の先輩達が彼女の上に乗っているので、彼女の大きさがよく分かる。 彼女の身長は、ゆうに7m以上もありそうだった。

 僕はそこで動けなくなってしまった。

 あまりの巨体に着る服がなかったのだろう。 胸はかろうじて乳首を隠すだけの白い紐ビキニ。 腰には白い大きなシーツを巻いただけという、とんでもない格好だ。

 うぅ、なんとかしてよ、中学生の僕には刺激的すぎるよ。

 そして、高校サッカー部の3人の先輩達が、彼女の上に乗っている。 朝っぱらから何をやっているのだ。

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「あら、コウちゃんじゃない、久しぶりね」
 その巨人女性は、部室の影に隠れて彼女を見つめている僕を見つけ、優しい声で話しかけてくる。

「はあ・・・?」 僕は呆然とする。

「私よ、優よ」 彼女は笑っている。

「あの・・・もしかして、優ねえちゃん?」
 僕は驚いた、そう、彼女は間違いなく優ねえちゃんだった。

 神楽崎 優佳、(かぐらざき ゆうか)

 それが優ねえちゃんの名前だ。 彼女と僕は幼馴染。 二人の父さん達が友達で、僕より3歳年上の優ねえちゃんは、母さんのいない僕を、いつも可愛がってくれた。

 しかし、優ねえちゃんが高校に入り、サッカー部のマネージャーになり部活で忙しくなった。 僕も医者になると心に決めて、いつも図書館で勉強をするようになってから、ここしばらく会っていなかったんだ。

 優ねえちゃんが過労で入院したという噂を聞いていていたので、お見舞いに行かないといけないって思ってたんだけど、まさか、こんな事になっているとは。

 そう・・・優ねえちゃんは
文字通りの巨人になっていた。

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「あ・・・あぁ、優さま・・・もうだめです」
「うぅ、もう出てしまいます」
「あ、ああ天国っす、気持ちイイっす、あ・・・うああ」

 優ねえちゃんの巨体の上に乗っている3人の先輩達が、情けない声を出している。

 身長180センチはありそうな先輩が一人、優ねえちゃんの大きなオッパイの上にしがみついている。 彼女のオッパイは、信じられないくらい大きく、片方だけで、ほとんど形を崩すこともなく、先輩の全身を持ち上げていた。

 優ねえちゃんが動くたびに、先輩を乗せたままで、巨大なオッパイが、ゆさ、ゆっさと揺れている。

 うぅ、すごい迫力だ。 僕には分かる。 優ねえちゃんのオッパイはただ大きいだけじゃない。 美しく女性らしい肌の下に、弾けるような健康な筋肉を秘めている。

 もう一人の先輩は、優ねえちゃんの胸の谷間に全身をつっこんでいる。 何故か腰を動かしている。 もう一度言うけど、何をやっているんだよ、見ている僕まで恥ずかしくなる。

 そして彼女の右腕に、もたれかかって、へたれているのは・・・?

 うわっ、あの遠山先輩だよ。 僕も顔と名前を知っている。
「命知らずの遠山」って言えば、このあたりでは超有名だ。

 遠山先輩が一人で、女の子にからんでいた隣町の不良4人を、タコ殴りにしたのは、もう伝説になっている。 この時は不祥事として、もう少しで、剛竜院高校サッカー部が、県大会出場停止になるところだった。

 なんとか理事長が事件をもみ消したけど、同級生で遠山先輩に文句を言う奴なんか、一人もいなかったらしい。 はっきり言って、凄く怖い人だ、遠山先輩は。

 しかし、その遠山先輩でさえ、巨大な優ねえちゃんの前で、全くの玩具扱い・・・無抵抗というか、まるで、ぬいぐるみのクマさんみたいだ。

 男達3人は、もう息も絶え絶えという感じだが、とても幸せそうに見える。 そして、優ねえちゃんも先輩達も、僕が見ていることなど、全然気にもしていなかった。

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 僕もある程度の状況を推測できた。 その巨大化現象は、世界各地で起こっていた。 ある日突然、女の子が巨大化するのだ。

 原因は全く不明だ。 半年前に地球に接近したボラー大彗星のせいだとも言われている。 大きくなるサイズは身長3〜20mくらいとまちまちで、何故か15〜25歳くらいの若い女性に限られていた。

 そして優ねえちゃんも、
身長7メートル以上もある巨人になってしまったのだ。

 「巨大女性情報保護法」により、巨大化した女性のプライバシーは保護されている。 大きな女の子のいる家に、新聞記者が殺到したら、女の子が可哀想だからだ。

 それで新聞で騒がれることもなく、今日まで、僕はうかつにも優ねえちゃんに起こった事実を知らなかったのだ。

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「あ・・・あぁ、優さま・・・いってしまいました」
「す、すみません、出してしまいました、お許しを」
「あ、あ、生まれてきてよかったっす」

 先輩達の情けない声が聞こえる。 どうやら3人とも、とうとう疲れきって、もう動く力さえ失ってしまったらしい。

 芝生の上に寝ていた優ねえちゃんは、上半身を起こし、すでにへろへろになった遠山先輩達3人を、そっと地面の上に置く。 先輩達を休ませてあげるつもりらしい。

 よく見れば、もうすでに他のサッカー部員十数人が、そこの芝生の地面の上でへたっている。

 そして、一息ついた優ねえちゃんは、再び僕を見つめる。

「優ねえちゃん・・・、あの、こ、これは、いったいどうしたの?」
 もう少し気のきいたことを言えないのかと思いながらも、僕は言う。

 いくら中学生の僕にだって、何をしていたかくらい分かるよ。 きっと、みんな、巨大な優ねえちゃんに、イイコトをしてもらったに違いない。

 うう、な、な、なんて羨ましいんだ。

「あぁ、これね、ちょっと私の体が大きくなっちゃって、コウちゃんの家にも行こうと思ってたけど、忙しくて・・・」

 優ねえちゃんは、あっけらかんと言う。 巨大化した優ねえちゃんには、見ているだけでなにか吸い込まれてしまいそう、そんな美しさがあった。

 それから優ねえちゃんは、ため息をつくように言った。

「このカラダちょっと肩がこるのよ。 ほら、私のここ大きいでしょう。 だから今日は私、サッカー部のみんなに、マッサージしてもらってたのよ」

 優ねえちゃんは自分の大きな胸に両手をあてる。片方でも、僕の体重の数倍の重さがあろう
巨大な乳房が、僕の前に突き出される。

 うわ、すごい! でかい、巨大な乳房。

 ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!

 その時、僕の中で何かが弾けた。 僕の心は空を飛んでいた。 この後、僕がとった行動は実に大胆なものだった。

「そ、そ、それは、たいへんですね。 そ、そうですね、そんなに大きなおカラダになったのなら、さぞかし肩がこるでしょう、それじゃあ、僕も。ボクもマッサージをさせていただきますー」

 気がついたら、僕は優ねえちゃんの体に抱きついていた。

 うわ、何をするんだよ、小さいころは、何度かじゃれあって遊んだけど、紐みたいなビキニと腰にシーツを巻いただけの姿、ほとんど半裸みたいな優ねえちゃんに抱きつくなんて、僕は自分が信じられない。 しかし、もうやめられない。 僕は優ねえちゃんのカラダの巨大さと柔らかさと暖かさに、ぼっとなる。

「あら、大胆ね・・・、でも、そんなコウちゃんって、好きよ」

 優ねえちゃんは、僕を抱きしめる。 一瞬だが僕は恐怖を覚える。 彼女は、僕の4倍以上もの大きさなのだ、そしておそらく、僕の何十倍もの力があるだろう。 その気になったら、僕の背骨をへし折るのなんて簡単だ。

 幸い、僕の心配をよそに、優ねえちゃんは優しく僕を抱いてくれた。 その力は完全にコントロールされている。 僕がひねり潰されることはなかった。 あぁ、素晴らしい。 優ねえちゃんは、もう僕をどうすることだってできるんだ。

 猛烈に盛り上った彼女の爆乳・・・いや超乳が、僕の顔に押し付けられる。 息ができない・・・ぐるじい。 だが同時に猛烈な快感が全身を走る。 ああキモチイイイよお、もう何がなんだかわからないよお…。

 優ねえちゃんはすぐに僕を抱きしめる手を、緩めてくれた。 僕の体は自由になる。

「いいのよ、好きにしてくれて、こんなに大きくなっちゃったけど、コウちゃんとは、これからも、ずっとお友達よ」

 優ねえちゃんの優しい声が響く。 信じられない、こんなに大きく美しくなったにも関わらず、優ねえちゃんは僕に優しくしてくれる・・・。

 僕は学校でも体は大きい方ではないし、夏なのに図書館通いで、それほど日焼けしていない体は、たくましさとは程遠い。 その僕を・・・優佳さまは「友達」だと言ってくださった。

 僕の心臓は爆発しそうだった。 僕は精一杯の力で、優ねえちゃんの巨体にしがみ付く。 僕の腰を、大きな乳房に擦り付ける。巨大な優ねえちゃんは、若さと美しさに満ち溢れ、輝いていた。 まさに僕の女神だった。

 もう 「優ねえちゃん」 なんて気安く呼べない。 そう、彼女は僕の「優佳さま」なのだ。

 優佳さまは、再び、小さな僕を優しく抱きしめてくれる。 もの凄い快感が、僕の全身に走る。

 あぁ、これだ、これだよ。 僕はこれを望んでいたのだ。 忘れていた記憶、遠いあの日、赤ん坊だった僕を母さんが優しく抱いてくれた日のことを。

 二度と母さんを失いたくない。 この僕も小さい時から、たびたび高熱を出して学校を休んだ虚弱児なのだ、だから医者になりたいと僕は望んだ。

 しかし、ここにもう一つの真実を見つけた。 あ、あ、そうなのだ。 僕の願いは、ただ僕が医者になることだけではダメなんだ。

 僕が願っていたものは、人を超えた絶対的なる力と美しさ。

 巨人になった優佳さまは力と美しさに満ち溢れている。 病気や疲労など、全く気にしない健康な肉体を持っている。 彼女こそ、僕が望んでいた存在。 医者になって自分と、病気の人たちを助けたいと願った僕が、本当に到達したかった絶対領域。

 ならば、僕と優佳さまが結婚をすれば、きっと元気で大きくて美しい子供が生まれるに違いない。

 そして、いつの日か、僕と優佳さまの遺伝子を持つ健康な子供たちが世界に増え、人類は病と悲しみから開放されるのだ。

 それこそが僕の望んだ世界。 だから僕は巨大な優佳さまと結婚しなければならないのだ。

 なに、今、僕は何を考えたのだ? 僕と優佳さまが結婚する?

 照れるじゃない。 ちょっとだけ想像してみる。 大人になった僕が仕事を終えて家に帰ってくると、僕の妻になった優佳さまがそこにいて「お帰り、ダーリン」なんて言ってキスしてくれる。

 それから巨大な優佳さまは、僕の服を脱がしてくれて、口移しでご飯を食べさせてくれたりするのだ。

 す、素晴らしい。 そしてご飯を食べた二人は、いっしょにお風呂に入って、優佳さまは巨大なオッパイで、小さな僕を全身パイズリしてくださるのだ〜、おぉお、優佳さまとお風呂に入るううう〜。

 そして身長7mの優佳さまと僕は、寝室へ行き、一晩中、同じベッドで楽しい時を過ごす・・・あぁ、なんて幸せなんだ。

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 なおも、僕は地面に寝そべった優佳さまに、自分の体を擦り付ける。 優佳さまの柔らかい肉に包まれて、僕はすぐにイッテしまう。 しかしまだ脳天がしびれている。

 こんなに気持ちいいことが、この世にあるなんて・・・信じられない。 まるで、無限の快楽宇宙の中を漂っているようだ。 すぐに僕は、また2回もいってしまった。

 それから僕は3回気絶するまで、巨人となった優佳さまのカラダを求め続けたのだった。

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「あ・・・あぁ、優佳さま・・・もうだめです」
「うぅ、もう出てしまいます」
「あ、ああ天国っす、気持ちイイっす、あ・・・うああ」

 先輩達の情けない声がする。

 優佳さまが巨大化してすぐ、その美しいお姿を見た高校サッカー部のみんなは、優佳さまの巨大なボディに悩殺されて、ほぼ全員が、優佳さまへの忠誠を誓っていた。

 遠山先輩をリーダーにして、高校では「優佳さま親衛隊」が結成されていた。

 そして、僕も先輩達の「親衛隊」の一人に入れてもらった。 中学生の僕にとって、これは素晴らしく栄誉なことなんだから。

 僕は優佳さまと結婚したいと願っているのだけど、先輩達のことも大好きさ。 だって、みんな仲間なんだから。

 今日も僕たちは、朝から優佳さまの巨大ボディにご奉仕さ。



 理由なんか必要ない。

 なぜなら、優佳さまが望んでおられるんだから。

 そして、僕も答えを見つけたんだから。

 僕には分かっていた。 優佳さまがもっと大きくなることを。 やがて彼女達、巨人女性が、この世界の全てを変えていくと・・・。

 優佳さまの巨大なボディはすばらしい・・・本当に・・・。

 そして今日も、

 めくるめく快楽の海に、僕たちは溺れていくのだった。


 (おしまい)



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